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iPS細胞 最新の研究紹介 山中所長(京都大研究所)ら 中区で講演

(2017年4月9日) 【中日新聞】【朝刊】【静岡】 この記事を印刷する

「今治せない病気、将来治したい」

画像トークセッションで意見を述べる(左から)浜松労災病院の有井滋樹院長、京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長、金子新准教授=浜松市中区で

 京都大iPS細胞研究所(京都市)と浜松労災病院(浜松市)は8日、浜松市中区で記念合同シンポジウム「iPS細胞の現在と未来」を開いた。京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長らが講演し、一般聴講者を含め1000人が最新研究やその意義の話に聞き入った。 (渡辺聖子)

 iPS細胞の発表10周年と浜松労災病院開院50周年を記念し開催。有井滋樹院長が臓器移植とがん治療からiPS細胞にかける期待を講演し、研究所の山中所長と金子新准教授は最先端の研究について易しい言葉で語った。

 山中所長は「今治せない病気やけがの人を将来治したい」と話し、そのための方法として再生医療と薬の開発を挙げた。

 再生医療では、他人のiPS細胞から作った網膜細胞を患者に移植する臨床研究が実施されたことを紹介。移植した時に拒絶反応を起こしにくい細胞の型を持つ人をドナーにする取り組みで、患者本人の細胞から作製するよりも、移植までにかかる時間や費用の抑制が期待されるという。

 浜松医科大の今野弘之学長が司会を務め、講演した3人によるトークセッションもあった。科学教育の在り方について意見を求められた山中所長は「昔と異なり、数年単位で研究が評価されるようになり、小さな成果は上げても、ブレークスルーはなかなかできない」と現状に懸念も示した。

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