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クローン病で痔瘻、治療法は

紙上診察室

(2017年4月11日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

Q クローン病で痔瘻、治療法は

 17歳の息子がクローン病と診断されました。便がゆるく、痔瘻(じろう)に苦しみました。最新の治療法が知りたいです。(女性・42歳)

A 手術や抗体製剤投与

 詳しい診断と治療が不明なのでお答えしにくいですが、クローン病の診断が正しいと仮定して解説いたします。

 日本では現在、この疾患の患者は4万人を超えており、いまなお激増しています。症状としては肛門部、小腸、大腸を主たる病変部位とし、炎症が生じて潰瘍、狭窄(きょうさく)、瘻孔(ろうこう)が出ます。瘻孔とは腸管と腸管、腸管と皮膚がつながる病態のことです。

 質問にある患者は肛門周囲と直腸がつながった瘻孔で、これを痔瘻といいます。この部分にうみがたまると肛門周囲膿瘍(のうよう)という厄介な病状に発展します。この場合は手術も積極的に考えるべきです。

 治療については、現在は抗TNF−α抗体製剤が使われるようになっています。クローン病では腸管局所に、TNF−αと呼ばれる炎症を引き起こす物質が過剰に作られています。この物質を中和するのが抗TNF−α抗体です。

 この薬は注射で投与します。これまでの治療薬に比べて、劇的な治療効果があります。2015年現在、クローン病患者の約50%に、抗TNF−α抗体が投与されています。とても高価な薬でもあり、使用が適切かどうか慎重に見極めます。質問にある患者も、専門の医療機関で小腸、大腸、肛門部の的確な診断を行った後、抗TNF−α抗体製剤の使用も含めて適切な治療を検討することが必要です。(田中消化器科クリニック院長)

田中 孝さん

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