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大腸がんの転移抑制

(2017年4月12日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

愛知県がんセンター タンパク質特定

大腸がんの移植をおさえるタンパク質

 愛知県がんセンター研究所(名古屋市千種区)の青木正博・分子病態学部長らのグループは「HNRNPLL」と呼ばれるタンパク質が、大腸がんの転移を抑える働きをすることを、マウスを使った実験で解明した。「世界初の研究成果」として、英科学誌電子版に掲載された。

 グループは、異なる働きをするタンパク質を備えたがん細胞をマウス70匹の大腸に移植。100日後、肺や肝臓などへの転移を調べると、転移していなかったマウスでは「HNRNPLL」が減少していなかった。

 次にこのタンパク質を減らした、がん細胞を移植した結果、転移が起きたため、タンパク質に転移を抑える働きがあると結論付けた。

 このタンパク質が減少すると、悪性度の高い大腸がんの細胞に多く見られる別のタンパク質が増殖することも発見。さらに大腸がん患者の細胞を顕微鏡で観察したところ、大腸の表面でタイルのように規則的に並んでいた細胞が、がん進行に伴ってバラバラに散らばり、活発に動き始める現象を確認した。この転移が起きやすくなる現象に合わせてHNRNPLLが減ることも確認した。

 大腸がんで亡くなる人は約5万人(2014年)で、がんの死因では肺がんに次いで多い。大腸がんは転移の多さで知られるが、詳しい転移の仕組みは分かっていない。

 グループの佐久間圭一朗室長は「転移のブレーキ役が分かった。このタンパク質の減少を抑える薬剤を開発できれば、転移を抑制、予防できる可能性がある」と話す。

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