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救急から在宅まで一貫 斉藤雄二さん

医人伝

(2017年4月18日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

はるひ呼吸器病院(愛知県清須市) 院長 斉藤雄二さん(51) 

画像急性期から慢性期まで患者を診る斉藤雄二さん

 呼吸器疾患の病状は多岐にわたり、急変も少なくない。肺がんや肺気腫、気管支ぜんそく、肺炎、急性呼吸不全…。「患者や家族のニーズに合わせ、どんな役割も果たせるようにしたかった」。大学病院と診療所、どちらもやって導いた答えが、急性期から慢性期まで一貫した治療方針で担える専門病院だった。

 福井市に生まれ、福井医科大(現・福井大医学部)で学んだ。指導医が呼吸器内科だったことから同じ道に。専門医が少なく「『呼吸器にしないと一生口きかない』って言われて」と笑う。

 母校の救急部助手などを経て、藤田保健衛生大病院の呼吸器内科へ。顕微鏡観察などで病気を見極める「病理」を学びに米国の病院に留学後、2007年、藤田の准教授に就任した。

 だが急性期を診る大学病院では、慢性になりやすい呼吸器疾患の患者を継続して診ることができない。仲間たちと11年、名古屋市内に呼吸器専門の診療所を作ったが、入院施設がないことに限界を感じた。

 当時、在宅で診ていた末期の間質性肺炎の高齢男性は病状が悪化し、入院が必要な状態に。男性は大学病院に入院したが、孫の結婚を控えて帰宅を希望。しかし、望みはかなわず亡くなった。逆に、患者の希望で末期に在宅にしたものの、家族が急変に対応しきれず、臨機応変に入院させてあげられていたらと思うケースもあった。

 「ゼロからずっと患者を診たい」と16年5月、愛知県清須市に「はるひ呼吸器病院」を設立。24時間体制の救急から外来、手術、入院、在宅診療まで網羅する呼吸器専門病院は全国でも珍しいという。

 病理の経験を生かし、インターネットで呼吸器病理の専門医らと意見を出し合う独自の診断システムを構築。訪問看護ステーションには病棟経験のある看護師を配置し、連携を密にする。理学療法士らを含む多職種の症例検討会で患者一人一人の現状と治療方針を確認し合う。

 モットーは「病気を診ずして病人を診よ」。呼吸器疾患は生活環境が大きく影響する。家がかび臭く、病気の原因がエアコンだと突き止めたこともある。酸素ボンベが必要な患者に自宅の急な階段を上らせていいのか、入院や家の改築を勧めるべきなのか。「患者の性格や生き方で対応も治療法も変わる。治す本人をいかに手助けできるかです」(小椋由紀子)

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