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黄砂でアレルギー悪化 花粉症やぜんそく要注意 飛来日は外出控えて

(2017年4月18日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する
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 春先に中国大陸から飛来する黄砂。洗濯物や車などを汚すだけでなく、気管支まで入り込み、花粉症やぜんそくなどのアレルギー症状を悪化させることが分かってきた。呼吸器にアレルギーがある人は気象情報に注意し、黄砂の飛来があった日には外出を控えるなどの対策を取りたい。(稲田雅文)

 「以前から、黄砂が多く飛んだ日にぜんそくの子どもが発作を起こしやすいなど、関連を指摘する声があった。最近の研究で、アレルギー症状への影響が明らかになりつつあります」と富山大医学部の足立雄一教授(小児科)は話す。

 黄砂はゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などの砂が強風で巻き上げられ、上空の偏西風に乗って日本まで飛んでくる。毎年2月下旬〜5月に発生することが多く、日本では関西以西を中心に全国各地で年に30日ほど観測される。粒子が小さいほど遠くまで飛び、日本に飛んでくる黄砂は直径4マイクロメートル(マイクロは100万分の1)程度と、気管支にまで入り込みやすいサイズが多くなる。

 足立教授が京都大と共同で実施した調査では、2005〜09年の2〜4月、富山県内の8つの基幹病院にぜんそく発作で入院した1〜15歳の子ども620人を調べたところ、黄砂が観測されてから1週間以内は、通常の日より入院するリスクが約1・8倍に上昇することが明らかになった。さらに小学生の男の子が発作を起こしやすいことも分かった。足立教授は「外で遊ぶ時間が多い男の子の方が、黄砂の影響が出やすいのではないか」と推測する。

 2大学に鳥取大が加わった調査では、11年10月〜13年5月に富山、鳥取県と京都府の妊婦3327人を調べたところ、スギ花粉に対する抗体を持っているグループは、スギ花粉が飛んでいる状況で、さらに黄砂の飛来量が多くなるほど、目や呼吸器のアレルギー症状が悪化していた。黄砂が、スギ花粉によるアレルギー症状を一層強くしたと考えられるという。

 黄砂がアレルギー症状に影響を及ぼすメカニズムはまだはっきりしていないが、飛来の途中で付いた大気汚染物質やカビが影響している可能性がある。予防するには、黄砂が飛散する日はなるべく外出を控え、外出する場合はマスクを着けるなど、生活の中で黄砂を吸い込まないよう心掛けたい=イラスト。

 足立教授は「すべての人が黄砂を避ける必要はないが、アレルギー症状がある人は、黄砂の飛来情報を調べ、避けるようにすると、症状を軽減できるだろう」と助言する。

今日にも今年初観測

 気象庁は、国内59地点で黄砂を観測している。1981年から2010年までの平年値では、年に24・2日観測。月別で観測日数が最も多いのは4月の9・0日で、3月(6・9日)、5月(4・1日)、2月(2・2日)と続く。今年はまだ観測されていないが、気象庁によると、18日にも西日本で観測する可能性があるという。

 同庁は、ホームページの防災情報の項目に黄砂情報を伝えるページを設けており、観測した地点を地図で示す実況図と、3日後までの飛来可能性を示す予測図を掲載している。国内で広範囲にわたり濃い黄砂を観測したり、予測したりした場合は「黄砂に関する気象情報」を発表して注意喚起をするので参考にしたい。

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