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お元気ですか 〈1451〉 排尿障害 病状に応じ治療を

(2017年4月19日) 【中日新聞】【朝刊】【滋賀】 この記事を印刷する
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 排尿の悩みを大きく分けると、すっきり出ない「排尿障害」と、急に行きたくなったり漏れたりする「蓄尿障害」があります。

 この2つは深い関係があります。例えば、ぼうこうに50ミリリットルしか尿がたまっていないのに尿意を感じれば蓄尿障害ですが、50ミリリットルを排尿すれば勢いが悪く、すっきり感がないので、自覚症状としては排尿障害もあることになります。また年齢とともに排尿障害も蓄尿障害も増加しますので、両者を合併している方も多いと思います。今回は排尿障害について解説します。

 排尿障害の自覚症状は、便器の前に立ってから(座ってから)出るまでに時間がかかる、排尿時間が長い、尿に勢いがない、残尿感がある、などです。排尿障害の原因は「ぼうこうの力が弱っている」または「尿道の抵抗が強くなっている」のどちらかに大別されます。

 前者の、ぼうこうの力を弱らせる原因として、腰椎の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄(きょうさく)症、子宮がんや直腸がん手術によるぼうこうの神経損傷、糖尿病などによるぼうこうの神経障害に加え、薬の副作用(風邪薬、アレルギーの薬、胃薬の一部、不整脈の薬の一部など結構多い)などがあります。後者の、尿道の抵抗を強くする原因の代表は、前立腺肥大症など前立腺の病気です。

 排尿障害を改善するためには、ぼうこうの力を強くするか、尿道の抵抗を弱める必要があり、それぞれの治療を目的とした薬があります。その他にも前立腺を小さくするホルモン剤や、ぼうこう・前立腺への血行をよくしてダメージを改善する薬などがあります。

 また、前述した蓄尿障害の治療薬は、ぼうこうの力を抜いてぼうこうを軟らかくすることにより、1回の尿量を増加させて排尿回数を減少させ、漏れを軽減させるものです。つまり排尿障害と蓄尿障害は全く逆作用の薬が必要なことがあり、排尿障害と蓄尿障害を合併している方の治療は悩ましいところです。

 排尿についての悩みは千差万別です。薬以外にも治療法がありますので、患者さんそれぞれに適した、いわばオーダーメードの治療が必要です。(大津市、本郷吉洋=滋賀県医師会)

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