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眼鏡も気持ちもメンテナンス

(2017年4月19日) 【中日新聞】【朝刊】【福井】 この記事を印刷する

福井日赤の入院患者ら対象に

画像患者に眼鏡をかけてもらい、サイズ調整をする今村さん(右)=福井市の福井赤十字病院で

 福井市内でメガネ店を営む今村薫さん(40)が17年間にわたって月1回、同市の福井赤十字病院で入院患者や来院者の眼鏡を無料でメンテナンスしている。外出する機会が少ない患者らにとっては便利で、会話を楽しむ機会にもなっている。(谷出知謙)

 「最近、眼鏡がよくずれるんです」「分かりました。ネジ締めときますね」。17日、8階のオープンスペースを訪れると、入院している70代の男性に今村さんが応対していた。専用の器具を使ってネジを締め、一通りの作業が終わると、男性は「景色がきれいに見えるようになった。ありがたい」と笑顔を見せた。

 今村さんは、病院にクリーナーや専用の器具を持ち込み、レンズを磨いたり、ゆがみを直したりする。一度訪れると、10〜20人がメンテナンスを受ける。

 自身が過去に病気で入院したことが、活動を始めるきっかけだった。ベッド脇のテレビを見るなどしていて眼鏡がゆがんでしまった。器具を院内に持ち込んで自分でメンテナンスをしていると、同室の患者に眼鏡のメンテナンスを頼まれた。「自分の技術を生かして患者さんの役に立ちたい」と、父親が透析治療を受けているこの病院でボランティアを続けている。

 眼鏡のメンテナンスだけでなく、患者たちとの会話も心掛けている。「入院は日常ではない。話すことで日常を感じてもらえれば」と今村さん。

 退院後の生活や患者が頑張ってきた仕事などの話を聞くと、患者からは笑顔や元気が出て、視界も明るくなっているように感じるという。

 今村さんは「眼鏡は自分の体の一部。気持ちよくかけてもらえるように、これからも続けていきたい」と意気込んでいる。

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