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技術磨き 異色歯ブラシ 印刷業ホクビ 参入、大ヒット

(2017年4月20日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像ドーナツ形のユニークな持ち手が特徴の「ハミコ」=金沢市内で

 印刷業のホクビ(石川県野々市市)の歯ブラシ事業が急成長している。乳幼児向けに開発した製品などが人気を集め、計55万本を製造・販売。今年から輸出も始めた。本業は相手先ブランドによる生産(OEM)が中心だが、独自の印刷技術も生かした新分野の製品で下請けからの脱却を目指す。 (嶋村光希子)

 同社は歯ブラシ事業に2011年にOEMで参入し15年から自社ブランドを手掛けている。乳幼児(5カ月〜3歳)向けの「HAMICO(ハミコ)」はドーナツ形の持ち手が特徴。歯磨きをしてあげる母親や赤ちゃん自身も持ちやすい。ブラシ部分は柔らかく、長さ2.5センチで、のどの奥まで届かないため安全。通常の棒状だと歯ブラシを口に入れたまま転び、のどにささってけがをするケースが多い。歯科医師らと開発した。

 持ち手にはウサギやキリンなど動物の絵を印刷。絵柄は17種類で、価格は600円(税抜き)。昨年8月に人気雑貨店や有名百貨店などで発売し、これまでに15万本を売った。

 このほか、水玉やストライプなど大人向けのデザインが特徴の「Qui(キ) boon(ブン)」シリーズや金沢の金箔(きんぱく)を使った商品もある。

 自社技術を生かしたのは持ち手の絵柄。透明なスチロール素材に多層に印刷する特殊な技術を使い、表と裏で違う絵を楽しめるようにした。この技術で特許を取得した。

 金沢駅近くの「みやび・る金沢」ビル1階にあるショールームを訪れたスイス人業者の紹介で、2月にハミコ2千本をスイスの薬局で販売したところ、1カ月で完売した。米国ニューヨークで8月に開かれる世界的なギフトショー「ニューヨークナウ」への出展も予定している。佐藤優子常務は「赤ちゃんは歯磨きを嫌がりがちだが、ハミコは楽しく安全にできる」と話している。

会社の危機救った事業  海外販売もっと拡大を 

金本清嗣社長

 ホクビは欧米やアジアでの販売に意欲を持っている。金本清嗣(きよし)社長に聞いた。

 −歯ブラシ製造に参入したきっかけは。

 1981年に創業後、テレホンカードの印刷を請け負い軌道に乗っていた。しかし、公衆電話が減り、売り上げは95年ごろのピークから10年ほどで約半分になり廃業寸前になった。その後は企業の社員証や医療機関の診察券への委託印刷をしていた。歯科医院の名前を歯ブラシに印刷する技術を生かし、デザイン性あふれる自社ブランド製品を作れないか考えた。

 −現在の生産体制は。

 新事業に参入した当初は専用の印刷機は1台だったが、10台ほどに増強した。2015年8月に新たな工場を設け、大量生産に必要な静電気除去装置なども導入して、生産能力が2.5倍になった。

 −海外の今後の展望は。

 昨年、年間40万本を売り上げているが、工場新設から20年までの5年間で出荷量を倍増させたい。国内でしっかり足場を固めてから、米国で本格的に販売し、順調に進めば欧州や東南アジアでも展開したい。国内の人口減少を受け、海外への販路開拓は必須。日本の高い技術を海外の多くの人に知ってもらいたい。

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