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炎症が進行関係 靱帯の骨化難病 富大グループ発見

(2017年5月5日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 脊柱の靱帯(じんたい)が骨になってしまい、手足のしびれや歩けなくなってしまう難病「後縦靱帯骨化症」の進行に炎症が関わっていることが、富山大病院整形外科の川口善治診療教授らのグループの研究によって分かった。薬などで炎症を抑えることで、骨化の進行を予防できる可能性がある。4日、米科学誌「PLOS ONE」に論文が掲載された。

 後縦靱帯骨化症は、骨化した靱帯が脊髄や神経を圧迫し、運動障害や神経障害を引き起こし、原因は分かっていない。

 グループは、患者と健康な人の違いを調べようと、血液に着目。血清を抽出して成分を調べたところ、炎症を起こすと増えるタンパク質「CRP」の数値が、患者は高くなっていることが分かった。これまでは、両者の値に差異はないと考えられていたが、技術的な進歩で、高感度でCRPの数値を分析できるようになり、発見につながった。

 理由ははっきりしないが、患者はリンの値が低く、川口診療教授は「リンの代謝の面からも原因を探る必要がある」と指摘している。

 骨化が進む患者とそうでない患者も比べたところ、骨化が進む患者のCRPの値は高く、骨化の速度とCRPの値に相関関係があることも分かった。

 川口診療教授は「炎症が原因で靱帯が骨になり、伸びているのか、伸びが原因で炎症しているかはまだ分からない。もし炎症が原因で伸びているなら、炎症を抑えれば伸びは収まる」と話した。 (山中正義)

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