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排便時に耐え難い痛み

紙上診察室

(2017年5月9日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

Q 排便時に耐え難い痛み

 時々ですが、排便の際に耐えがたい痛みがあります。子宮の奥と肛門の奥の辺りが痛く、その場でうずくまってしまうほどです。何年か前に婦人科にかかりましたが、特に異常はありませんでした。治療した方がいいでしょうか。(女性・43歳)

A 痔、直腸の病気の疑い

 肛門痛の原因はさまざまありますが、特に多いのは痔核(じかく)(いぼ痔)と裂肛(切れ痔)です。女性は妊娠・出産・授乳の影響でいきんだり便が硬くなったりしやすく、痔核が肛門外側に出る「脱出」や裂肛を繰り返す原因となります。治療は食生活の改善と排便を促す内服薬、患部に使う注入軟こうから始めますが、1カ月たっても改善しない場合は手術を考えます。

 痔核の手術は大きく分けて、注射で硬化させる療法と切除療法とがあります。硬化療法は痔を固めて小さくし、出血や脱出を改善します。入院期間が短く痛みもありませんが、外側にできた大きな痔核には効果がなく再発率が約15%と高いことが欠点。切除療法は入院に約1週間かかり、痛みも出ますが、どんな痔核にも行え、ほぼ再発しないというメリットがあります。

 裂肛は肛門の縁が切れて痛みや出血を起こす疾患で、慢性化すると肛門が狭くなってしまいます。狭くなりすぎると手術しか手段がなくなるため、早めの治療が望まれます。

 ところで今回の症状からは、実は直腸の病気も疑わなければなりません。特に頻便や便秘、出血を伴う場合は注意が必要です。直腸がんだったという例もあります。どちらにしても一度肛門診察を受け、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることをお勧めします。(松田病院胃腸科・肛門外科院長・松田聡氏)

画像松田聡氏

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