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認知症介護に“演技”を

(2017年5月19日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

県文化会館 県内各地で本年度、体験講座

画像「OiBokkeShi」の上演する、認知症をテーマにした劇の一幕=岡山県和気町で(三重県提供)

 介護疲れを防ごうと、県文化会館は、認知症患者と接する際に“演技”の要素を取り入れ、介護者も患者も気楽に過ごす方法を学ぶ体験講座を本年度、県内各地で開く。講座を通じて演劇に興味を持った人を中心に劇団をつくり、再来年には公演にも挑む、3年がかりのプロジェクトだ。(大山弘)

 講師は、東京で劇作家平田オリザさんに演劇を学び、2012年からは岡山県で介護福祉士として働く菅原直樹さん(33)。

 患者のおかしな行動を正さず、そのストーリーに言動を合わせる演技をすることで、介護者と患者の関係が良好に保てると提唱する。14年には地域で認知症介護に取り組む仲間らと「老と演劇・OiBokkeShi(オイ・ボッケ・シ)」も立ち上げた。

 体験講座では、食事をさせたい介護者役と、「田植えに行く」と訴える患者役を交互に演じるロールプレイや、数人一組で雑談をしながら認知症役の人が突然台本を読むといったプログラムを用意。認知症の人の発言を、自然な演技で受け入れる練習をしながら、新たな介護モデルづくりに取り組む。

 菅原さんは「演劇は、俳優や裏方など、さまざまな役割を持てる機会にもなる。作品を作り上げながら、高齢者が人とつながれる」とも話す。演劇を、高齢者の新たな生きがいとして紹介するワークショップも開催する。一連の体験講座に参加した人を中心に、来年度の劇団結成、再来年度の劇上演を目指す。

 県文化会館の担当者は「音楽会や演劇などのイベントを開催するだけではなく、社会と積極的に関わりながら、アートの力で問題解決にも取り組んでいきたい」と話す。

 講座は、認知症家族や看護学生などを対象に、24日から順次開催。8月30日には津市の県総合文化センターで一般向けにも開く。(問)県文化会館=059(233)1100

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