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滋賀の呼吸器外し事件 大阪高裁で三者協議

(2017年5月19日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 滋賀県東近江市の病院で人工呼吸器を外して患者を死なせたとして、殺人罪で懲役12年が確定した元看護助手西山美香受刑者(37)=服役中、同県彦根市出身=の再審請求の抗告審で、大阪高裁は18日、弁護団と検察を交えた三者協議を開いた。弁護側は、患者が致死性の不整脈で自然死した可能性を指摘する医師の意見書を提出した。

 西山受刑者の再審請求は2度目。2015年9月に大津地裁で棄却され、同年10月に高裁へ即時抗告していた。高裁での三者協議は初めて。

 確定判決では、患者は呼吸器を外されたことによる急性低酸素状態で死亡したとしている。弁護団によると、協議に先立ち高裁が事前に争点を絞り込み、司法解剖の鑑定書の記述などから、患者に致死性の不整脈が起きた可能性について双方に主張、立証を要請していた。検察側は、可能性を否定する医師の意見書を提出した。

 事件は03年5月に発生した。確定判決によると、西山受刑者は看護助手の待遇に不満を持ち、宿直勤務中の未明の病室で、植物状態だった男性患者=当時(72)=に装着されていた人工呼吸器のチューブを引き抜き、殺害したとしている。

検察側の書面が弁護側に届かず 「重大な手続きミス」

 西山美香受刑者の再審請求審で、大阪高検が三者協議に先立って大阪高裁に証拠提出した医師の意見書の写しが、弁護側に届いていなかったことが分かった。8月の刑期満了を控え、早期の結論を求めてきた井戸謙一弁護団長は「重大な手続きミス」と批判した。

 弁護団によると、高検は4月28日付で意見書一通を提出。高裁には送付したが、弁護側には送付していなかった。検事は「高裁から弁護団に送付されると思っていた」と弁解したという。弁護側は意見書を高裁と高検に送付していた。

 弁護団は高検側からの意見がないと考え、この日での審理終結も想定していた。井戸弁護団長は今回の送付忘れについて「刑事訴訟法などで再審の手続きが具体的に定められていないことが原因」と指摘。議論が深まらず審議が空転したとして「決定が満期後にずれ込むかもしれない」と懸念を示した。高検と高裁は取材に三者協議が非公開手続きであることなどを理由に「コメントしない」とした。

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