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アスベスト患者を支援 労災認定へ 相談会活用を

(2017年5月24日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【富山】 この記事を印刷する
母親の労災認定の経緯を説明する東初美さん(右)=県庁で母親の労災認定の経緯を説明する東初美さん(右)=県庁で

 アスベスト(石綿)の被害者団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」(東京都)が28日に、富山市の県中小企業研修センターで相談会を開く。母親が労災認定を受ける東初美さん(54)=同市=ら同会の会員が23日県庁を訪れ、「医師や行政も患者の立場に立たず、家族の会がないと認定されなかった」と苦労を振り返り、相談会の活用を呼び掛けた。(木許はるみ)

 東さんの母親サチ子さん(80)は、石川県珠洲市の工場で約30年間、建築現場で使うネットの洗浄作業などを担当。サチ子さんは2012年に肺がんを発症し、転院先の病院で初めてアスベストの救済制度を知った。

 長女の初美さんは「母親の勤務していた事業所にアスベストの証明書をもらおうとしたが、『アスベストは使っていない』とすぐに却下された」と話す。

 14年に同会に相談し労災申請したが、15年に不支給処分となった。この時、初美さんは地元の労働基準監督署から「(上部機関の)労働局に厚生労働省での協議を打診したが、『必要ない』と言われた」と説明されたという。その後、同会の支援を得て同省に抗議したところ追加調査となり、16年3月に労災認定された。初美さんは「認定が遅れ、母や家族は苦しんだ。本当に腹立たしい」と行政の対応に憤った。

 また、初美さんは母親の労働環境を調べるため、母親の同僚を訪問した際、「世話になった会社を裏切るのか」と門前払いされることも多かったという。「母親も地元では冷たい目を向けられた」と住民の意識にも疑問を投げかけた。

 この日は、夫を悪性胸膜中皮腫で亡くし、労災認定を受けた野村美雪さん(52)=富山市=らも出席。野村さんは同会の世話員を務めており、「北陸は症例が少なく、医師も手探りな状態。患者同士のつながりを持ちたい」と話した。

情報交換会も

 相談会は午前9時半~午後4時半。午後は患者や家族との情報交換会もある。相談は申し込み不要。同日から相談ダイヤル=070(6504)5401=も開設する。

 主催者の中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会によると、代表的なアスベスト疾患の中皮腫による県内の死者は、統計開始の1995~2015年で262人。労災や救済の認定者は5〜6割という。

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