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措置入院 委員不足で審査

(2017年5月29日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

2万5000件不備 岐阜など16自治体

精神医療審査会の不備

 精神科病院に患者本人の同意なく入院させる措置入院や医療保護入院が適切かを審査する自治体の「精神医療審査会」について、委員の出席者数に関する法令要件を満たさずに開催されたケースが2011年度以降の6年間に、岐阜や三重など12道県と4政令市であったことが分かった。全ての都道府県と政令市の約4分の1に当たる。厚生労働省などによると、開催要件に不備がある状態で少なくとも約2万5千件が審査された。

 審査会は精神障害者の人権に配慮し、対応をチェックする機関。定数5人のうち医療、保健福祉、法律の3分野から各1人以上の出席が必要だが、意見書提出を代わりとして認めていた事例もあった。相模原障害者施設殺傷事件を受け、措置入院の在り方などが議論されており、識者は「問題意識の欠如」と批判。厚労省は「委員が実際に出席するのが基本」と改善を求めている。

 審査会は精神保健福祉法に基づき、都道府県や政令市が設置する。自治体ごとに複数の合議体が設けられ、病院管理者から定期報告を受けるほか、患者・家族の請求を受け、入院継続の妥当性などを判断する。

 しかし昨年以降、一部自治体で、委員出席数の要件を守らずに開催していた問題が表面化。厚労省が全国的に聞き取り調査を実施した。

 同省や各自治体への取材によると、11年4月〜16年12月に出席要件を満たさずに開催されたケースは北海道、岩手、滋賀、徳島、香川など12道県で確認された。政令市もさいたま、相模原、広島、福岡の4市で同様の事案があった。神奈川県は事案の有無を明らかにしていない。

 欠席する委員に意見書を提出してもらう形を了承したり、事前に意見を聞いているので問題がないと判断したりしていた自治体のほか、そもそも各分野の委員の出席が必要と理解していない自治体もあった。

 要件不備での開催が最も多いのは埼玉県で44回。岐阜県40回、岩手県22回が続いた。審査件数も埼玉県が最多の計1万2165件で、ほかに岐阜県が4277件など。厚労省は法令順守を求めるが、多くの自治体は「一度決めた審査会の日程を動かすのは容易でない」とし、意見書を認めるなど柔軟な対応を求める声もある。

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