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糖尿病患者の「食」導く 三重県立一志病院 萩原味香さん

医人伝

(2017年5月30日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

三重県立一志病院(津市) 管理栄養士 萩原味香さん(47)

画像「食事量を、目で見て、胃で覚えて」と語る萩原味香さん

 食事療法と運動療法の両方が欠かせない、糖尿病治療。高齢化が進む津市の山間部の病院で、毎月一度開いている患者向け講習会のプログラム作りに取り組んでいる。

 講習会は1年に10回開催。同僚の医師や理学療法士などと協力しながら、糖尿病の基礎知識や薬物療法のポイント、足の壊疽(えそ)を予防するマッサージ方法などさまざまなテーマを扱う。1年間通ってもらい、病気との付き合い方や、合併症の予防について理解してもらう狙いだ。

 全ての講習で共通して扱うのが、正しい食事の取り方。毎回、講義が始まる前に、一人一人の病状に合わせ、ご飯の量などでカロリーを調節した弁当を用意。「野菜を先に、よくかんで食べてね」などと声を掛けながら、実際に食べてもらい、適切な食事量を伝えている。「自分の病状にあった食事量を、目で見て、胃で覚えてほしい」と説明する。

 「食べることは、人生の楽しみ。好物を取り上げるようなことはしたくない」とも。間食の取り方を説明するときは、菓子パンは高血糖状態が続きやすいこと、ジュースやコーラなどの飲み物は血糖値が急激に上がることを紹介。「量を減らすか、ヨーグルトや生の果物を食べるように」と、間食そのものを止めることはしない。

 三重県松阪市出身。食に興味を持ち、甲子園大(兵庫県宝塚市)の栄養学部に進んだ。講義を受けながら、病気の予防や治療に食の分野からも関われると気付き1992年、管理栄養士として県に就職。現在勤務する一志病院が初任地だった。志摩保健所(現・伊勢保健所、三重県志摩市)やこころの医療センター(津市)などを経て、2014年に再び一志病院に着任。15年度から年間のプログラム作りを担当している。

 一志病院のある津市白山町は、交通も不便で、年々高齢化が進む。糖尿病教室は、高齢の患者たちが外出し、他者と交流できる貴重な機会にもなる。昨年度からは、参加者や病院スタッフがお茶を飲みながら気軽に意見交換をする「茶話会」も開いている。

 「外来で訪れた方に“糖尿病教室楽しみにしているよ”と言われるのが一番うれしい。少しでも皆さんが健康でいられるよう、やる気を出すお手伝いを、食の面から続けていきたい」と話す。(大山弘)

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