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小児病棟に元気 ほほ笑み水族館

(2017年6月3日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

ネット中継で魚を紹介 愛知など

タカアシガニを紹介する竹島水族館の小林龍二館長(右端)と、モニターをチェックする鈴木貴雅さん(右から3人目)=愛知県蒲郡市でタカアシガニを紹介する竹島水族館の小林龍二館長(右端)と、モニターをチェックする鈴木貴雅さん(右から3人目)=愛知県蒲郡市で

 名古屋市の一般社団法人「ほほえみパーク」が、水族館と病院の小児病棟などをインターネットでつないで生中継する活動に取り組んでいる。「病院から出られない子どもたちを元気づけたい」と、代表理事の鈴木貴雅さん(40)。入院中の子どもたちに笑顔が広がっている。 (蒲郡通信局・木村尚公)

 「グソクムシは食べられるの?」「カメの首はどれくらい伸びるの?」。今週初め、愛知県蒲郡市の竹島水族館と名古屋市、大阪府和泉市の2カ所の病院をつなぎ、飼育する魚などを水族館側が紹介すると、病棟にいる計30数人の子どもたちから、生き生きとした質問が飛んできた。

 解説した小林龍二館長(36)は「イヤホンから笑い声が聞こえてきた。楽しんでくれたようですね」。1時間近い中継が終わっても、モニター前を離れない子どもたちの名残惜しそうな様子が、水族館側のパソコン画面に伝わってきた。

 ほほえみパークを鈴木さんらが設立したのは昨年10月。知人で理事の出口千秋さん(45)が「長女の入院中に『何かできないか』と考えた」ことがヒントだった。遊びたくても遊べない子どもたちに外の世界を感じてほしい。そのための答えが、ネットを通じて水族館や動物園へ「連れて行く」ことだった。

 「水族館が嫌いな子は、まずいません」と鈴木さん。ホームページ制作などの会社を経営しており、ITの知識を生かして、リアルタイムで水族館などと病院を結ぶ仕組みをつくり、知り合いに呼び掛けてスタッフを募った。

 昨年11月、南知多ビーチランド(愛知県美浜町)から初の生中継を実施。「ショーの中継に終始してしまった。次は子どもたちと活発にやりとりがしたいと思った」と鈴木さん。手書きで魚の紹介パネルを作るなど、個性的な飼育員が多い竹島水族館に協力を求めた。小林館長は「共感できる」と快諾。中継では子どもたちに語りかけ、実際の対面と同じように、コミュニケーションを図ることができた。

 ほほえみパークは今後、日本小児総合医療施設協議会(東京)を通じて、生中継を希望する病院を募集。協力してくれる水族館や動物園を探し、取り組みを続けていく。協議会の担当者は「病院では、出張動物園は菌などの関係で『これもダメ、あれもダメ』となってしまう。ネットの水族館や動物園は受け入れやすい」と歓迎している。

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