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“岐阜式 心リハ”広がれ 病院と民間スポーツクラブ連携

(2017年6月8日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

県内全域 定着目指す

画像スポーツクラブで体を動かす山中さん=岐阜市のアクトス岐阜で

 心臓病の再発を適度な運動で防ぐ「心臓リハビリテーション(心リハ)」の普及に、県内の病院と民間スポーツクラブが垣根を越えて取り組んでいる。岐阜地区のみだった連携体制を今月から県内全域に広げ、全国に先駆けた「岐阜県モデル」として定着を目指す。(近藤統義)

 岐阜市のスポーツクラブ「アクトス岐阜」で5日、関市の山中憲次さん(66)が自転車型の運動器具を黙々とこいでいた。心リハのメニューとして週3回、1時間ほど体を動かす。「汗をかくのが楽しい。病気になる前より体調はいい」と笑う。

 山中さんが心筋梗塞で倒れたのは3年前。手術後、意識不明の状態が2週間続いた。一命を取り留め、入院生活で始めたのが心リハだった。転院した岩砂病院(岐阜市)の紹介で、昨年8月からクラブに通い始めた。

 心リハでは有酸素運動や器具を使った筋力トレーニングで、体力を回復させていく。同病院の横家正樹医師(53)によると、約20年前から国内で浸透してきたが、医療機関が各自で取り組む例がほとんど。保険適応も治療開始から150日間のみで、退院後に運動を習慣づける環境づくりが課題になっているという。

 そこで岐阜地区の15の医療機関が2年前、「岐阜心臓リハビリテーションネットワーク(CR−GNet)」を設立。県内に計40店舗あるクラブ3社に協力を求め、地域でリハビリを続けられる体制を整えた。

画像医師やトレーナーが患者の情報を共有するための手帳=CR―GNet提供

 クラブでは、心臓病について講習を受けた従業員が専門トレーナーとして患者の運動メニューを考える。血圧、脈拍といった健康状態などを記録する独自の手帳も作成し、医師とトレーナーが情報を共有している。

 CR−GNetにはこれまで約190人の患者が登録し、15人がクラブを利用した。実績はまだ多くないが、事務局を務める横家医師は「高齢化が進む中で、運動療法は健康寿命の伸長に欠かせなくなってくる」と強調する。

 CR−GNetは今月17日、各地区の医療関係者を集めた拡大会議を開き、全県展開へのスタートを切る。今のところ、岐阜地区以外で約10の病院が参加する予定だ。7月には心リハ学会の学術集会が岐阜市内であり、県独自の取り組みとして発信する。

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