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腎性貧血の治療にAI 金沢医科大 IT大手と研究

(2017年6月10日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像友杉直久名誉教授

 金沢医科大(石川県内灘町)が、IT大手のソフトバンクや日本マイクロソフトと協力し、腎不全が引き起こす腎性貧血の患者に最適な治療法を人工知能(AI)で導き出す仕組みの開発を進めている。同大の友杉直久名誉教授(67)は年内の完成と、1年後の臨床現場への本格導入を目指している。

 腎不全の患者は全国で32万人いるとされる。腎性貧血は腎臓で作られる造血ホルモンの「エリスロポエチン」が不足することで、赤血球数が減少して起こる。造血剤を投与すれば改善するが、投与の量や間隔と赤血球数との関連性はよく分かっていない上に個人差もあるため、現状では個々の患者の状況を踏まえた医師の経験則に基づいて投与しているという。

 友杉名誉教授はソフトバンクのAIの技術とマイクロソフトが提供したシステムを活用し、コンピューターに造血の仕組みを「学習」させてAIの原型を構築。現場の医師が個々の患者のデータをAIに提供することで、AIが患者ごとに最適な投与の量や間隔を計算して提示してくれるという。

 友杉名誉教授は「患者の体の中で起きていることをAIが推測して提案することで、現場の医師がベストな治療法を選択できるヒントになる」と話している。

 研究成果の一部は16日に横浜市で開かれる日本透析医学会の学術集会で発表される。 (中平雄大)

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