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看護師夜勤 基準超34% 月72時間 協会「事故リスク増」

(2017年6月10日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する
看護職員の月夜勤時間

 全国の病院で夜勤を含めた交代制勤務をしている看護職員のうち、夜勤時間が、夜勤抑制の基準となっている「月72時間」を超える人が34.8%に上ることが、日本看護協会(東京)の2016年調査で分かった。12年の前回調査(32.0%)から微増。夜勤時間の長い看護職員が多い病院ほど離職率が高い傾向も確認された。

 協会は「過重な夜勤負担は離職に直結する。慢性疲労が深刻化する上、注意力の維持も難しくなり、医療事故のリスクが高まる」と指摘。法令で夜勤時間や回数を規制するよう政府に要請している。

 現行の労働法制に夜勤時間や回数の規制はなく、診療報酬の入院基本料に関し「看護職員一人当たりの月平均夜勤時間数は72時間以下」の算定要件を設けることで、長時間の夜勤に歯止めをかけている。

 調査は16年10月、全国8469病院を対象に実施し、3549施設から回答があった。これらの施設で夜勤に従事する看護師や准看護師(約18万人)の中で、月当たりの夜勤時間が「72.1〜80時間以下」だったのは14.5%。「80.1〜96時間以下」14.7%、「96.1時間以上」5.6%で、72時間超は計34.8%となる。

 協会は、月72時間の夜勤は3交代制(夜勤8時間)の場合だと、月の夜勤回数が9回分に相当し、2交代制(夜勤16時間)では4.5回分に当たると説明している。

 一方、夜勤時間と離職率の関係性を見ると、72時間を超える職員が10%未満の施設では離職率は9.1%だったのに対し、72時間超の職員が50%以上になると離職率は11.9%に上昇していた。

 適切な仮眠確保必要

 深夜労働に詳しい大原記念労働科学研究所の佐々木司・上席主任研究員の話
 人間には昼間働いて夜眠るという本来備わっているリズムがあり、夜勤に従事してもそのリズムは変わらない。看護師は(感情の抑制が必要な)「感情労働」と言われ精神的疾患に陥りやすいが、夜勤で十分な睡眠が取れないことでより深刻化する恐れがあるほか、がんのリスクが高まることも指摘されている。疲労が回復せず、集中力が落ちると、医療過誤が起きる恐れも生じる。業務を整理し、夜勤時にも適切な仮眠を確保できるようにすることが必要だ。

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