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全国脳卒中 年29万人 滋賀医科大など 県内調査から推計

(2017年6月15日) 【中日新聞】【朝刊】【滋賀】 この記事を印刷する
年齢階級別の推定脳卒中発症者数(推定)

 国内の脳卒中の発症者は年間約29万人と推定され、発症者の半分以上が死亡または介護が必要なことが、滋賀医科大などによる県内の医療機関の調査から分かった。これまで、脳卒中の発症率や治癒の現状について、国内の実態を把握したものはなかった。死亡率が減少しているものの、依然日本人の死因で上位にある脳卒中の発症予防と発症後の早期治療が改めて重要と言えそうだ。(浅井弘美)

 脳卒中は、がん、心臓病、肺炎に続き、日本人の死因の第4位で、寝たきりの原因の第1位。調査は、2012年度から滋賀医科大を中心に進めている、県内の脳卒中発症者全員を登録する事業の一環で実施した。滋賀医科大の看護師ら15人が、県内41の医療機関へ出張し、11年の1年間に脳卒中を新たに発症、または再発したと診断された患者のカルテなどを基に、年齢や症状、入院期間、既往歴などのデータを抽出して解析した。

 その結果、県内で脳卒中と登録されたのは延べ2956人あり、うち新たに発症した人は2176人いた。タイプ別では、脳梗塞が最多で患者全体の64%を占め、脳出血25%、くも膜下出血9%と続いた。

 さらに、11年の日本人の人口構成を基に国内における脳卒中の新規発症者数を試算したところ、年間約22万人、再発を含めると、約29万人が発症。11年の脳卒中の死亡者数が全国で約12万人いたことから、発症者はその2.3倍いたと推計された。

 また、治療の現状を調べると、発症者の73%がリハビリを受けていたほか、62.5%が治療中に死亡、または後遺症が残るなど介護が必要な状況だった。

 滋賀医科大は今後、41機関から得た11〜13年度に脳卒中と登録された約1万2千件を基に生存率や再発率などを調べるほか、心臓病についても、14、15年度のデータも得て発症率や治癒の現状を分析するとしている。

 調査を主導した滋賀医科大脳神経外科学講座の野崎和彦教授(60)は「脳卒中の現状を実態として、ようやく把握できた。データを県の医療施策に利活用し、県民に還元できたら」と期待している。

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