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顕微鏡手術で腰痛救う 中東遠総合医療センター 浦崎哲哉さん

医人伝

(2017年6月20日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

中東遠総合医療センター(静岡県掛川市) 整形外科統括診療部長 浦崎哲哉さん(54)

画像女性患者に語り掛けながら、手術後の容体を確認する浦崎哲哉さん

 「もう大丈夫。ひ孫さんとも遊べますよ」。腰痛の原因だった腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症の手術に成功した女性患者(79)に優しく語りかけた。背中の痛みに加えて1月初旬から足に痛みやしびれが出て、家の中をはって動くのもやっとだったという。「細かな神経や血管を傷つけないように細心の注意を心掛けている」。傷や体の負担が小さい顕微鏡を使った腰椎低侵襲手術を年間60件、これまでに通算で800件を手掛けた。

 脊柱管狭窄症は、頸椎(けいつい)から背中に向かって伸びた神経を包む脊柱管が加齢などで狭くなり、周囲の背骨や靱帯(じんたい)に圧迫されて痛みが生じる。高齢者を中心に患者数は全国で600万人といわれる。ストレッチやウオーキングなどの運動療法は予防効果があるが、進行すれば手術が必要となる。「薬やリハビリでは脊柱管は拡大しない。病気が進行してまひの症状が出る前に、骨や靱帯を削って広くするしかない」

 背中側から患部を2.5センチほど切開し、骨と靱帯を削り取る。内視鏡を使うケースもあるが、顕微鏡だと患部を立体的に見ることができ、距離感もつかみやすい。「安全に手術できて、背筋のダメージも抑えられる」という。

 神戸市出身。「子どものころから話を聞くのが好きで、カウンセリングで治療する精神科医が目標だった」という。名古屋大医学部卒業後の研修先で、手先が器用との理由で、外科医を薦められたのが転機となった。整形外科を選んだ理由の一つは「術後の形が確認しやすかった」こと。「傷や変形をきれいに治せば、機能的にも良いことを目で確かめられた」。趣味の水彩画で培った美的感覚も仕事に生かされている。

 岐阜県立多治見病院や静岡済生会総合病院などを経て、2010年から中東遠総合医療センターの前身となる掛川市立総合病院に勤務。椎間板ヘルニアや脊椎椎体骨折などを含めれば年間170件の手術をこなす。高齢の患者には、一人暮らしや老老介護に追われている人も。「病気になったことで、『今まで通りの生活ができなくなる』と、患者本人が1番危機感を持っている」。手術と聞くと身構えがちだが、顕微鏡手術の利点を丁寧に説明している。退院後の経過診察で「おかげで歩けるようになったと言ってもらえるのが励み」という。(赤野嘉春)

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