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学生へ経験伝える 県施設で体の不自由な子のケア39年

(2017年6月25日) 【中日新聞】【朝刊】【三重】 この記事を印刷する

医師・二井さん、鈴鹿医療科学大特任教授に

画像体の不自由な子どもたちに向き合った経験を学生に伝えたいと話す二井英二さん=鈴鹿市の鈴鹿医療科学大で

 県立の医療施設で39年間、体の不自由な子どもたちのケアを続けた津市片田新町の医師二井英二さん(66)が今春退職し、鈴鹿医療科学大の特任教授として第2の人生のスタートを切った。整形外科医として、子どもたちに向き合った経験を学生に伝える。(池内琢)

 二井さんは1976(昭和51)年、三重大医学部を卒業。整形外科の医局で働くなどした後、脳性まひなどで体の不自由な子どもが入所する「県立草の実リハビリテーションセンター」(津市城山)の前身で働き始め、80年に正職員に採用された。

 施設は今年6月1日に開所した「県立子ども心身発達医療センター」(同市大里窪田町)に移転、統合した。施設では、子どもたちが足に装具を着けた状態の歩く練習や、誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐための食事の訓練などを続けてきた。二井さんも体の変形を予防するために手術などもし、所長として約20年、施設運営を担った。

 「僕自身も体に奇形があってね。少年時代はコンプレックスだったから」。体の左右で手足の長さなどが異なる「先天性右片側肥大症」を患う二井さん。名古屋大で手術を受けた経験などから整形外科医を志した。

 「脳性まひは基本的に治癒しない疾患。医師としてどれだけのことができたのか」と、自問することもある。だが、入所した子どもが手術などで歩く機能が回復し、成人した後も二井さんを慕って会いに来てくれることもある。「子どもたちの人生に寄り添うことはできたのかな」とほほ笑む。

 66歳で退職し、6月に鈴鹿医療科学大保健衛生学部の特任教授に就任。教壇では専門の整形外科学とリハビリテーション学を教え、患者の心に寄り添う大切さを伝えるつもりだ。

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