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食生活偏りで亜鉛欠乏症

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(2017年6月27日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

 食生活に自信ありますか? 診察に訪れた方にも、よくこの質問をするのですが、うつむいたり、苦笑いをしたりする方が多いです。毎日忙しいと、便利な外食に頼る方が増える一方、体の健康維持に必要な栄養素が取れず、不調が起きる方もいます。

 特に、亜鉛という栄養素が不足する「亜鉛欠乏症」になると、味覚障害や口内炎、脱毛、皮膚炎、貧血などの症状が出ます。骨粗しょう症のほか、男性の精巣や女性の卵巣の機能の低下につながる可能性もあります。子どもの場合だと、発育障害の発症と関連があるといわれています。

 亜鉛は、体内でタンパク質やホルモンなどを合成する酵素の働きを活発にするミネラルの一つです。生命の維持に欠かせない「必須微量元素」と呼ばれ、造血や味覚維持などの働きも担っていますが、体の中で作り出せず、食事から取る必要があります。亜鉛は魚介類などに含まれますが、バランスの良い食事が大切です。

 亜鉛欠乏症は一般的に知られておらず、医療現場でも見逃されているケースが少なくありません。亜鉛欠乏症は、食事療法やサプリメントなどの摂取では改善しないことが多く、亜鉛を補給する薬による治療が必要です。血液検査や医師の問診で診断できますので、気になる方は医療機関に相談してください。(産婦人科医・伊藤加奈子)

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