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臍帯血無届け投与 停止命令

(2017年6月28日) 【中日新聞】【夕刊】【その他】 この記事を印刷する

11医院 美容、がん治療うたう

 国に必要な届け出をせずに他人の臍帯血(さいたいけつ)を投与したとして、厚生労働省は28日、東京都や大阪市、福岡市にある11の民間クリニックに対し、5〜6月、再生医療安全性確保法に基づき、投与の一時停止を命じたと発表した。

 各クリニックは、美容効果やがん治療などの再生医療をうたい、自由診療で患者に他人の臍帯血を注射や点滴で投与していた。こうした治療は有効性や安全性が証明されていない。厚労省によると、今のところ健康被害の報告はないという。

 臍帯血を使った医療を巡っては、愛媛県警などが昨年11月以降、同法違反の疑いで松山市の医療法人「大手町クリニック」など複数のクリニックを家宅捜索。厚労省は今年5月、同クリニックを一時停止処分にした。その後臍帯血の入手経路などから調査範囲を広げ、11カ所で他人の臍帯血を使った無届けの医療を確認した。

 出産時のへその緒や胎盤に含まれる臍帯血は、赤血球や白血球などの血液細胞のもとになる幹細胞が多く含まれ、白血病などの治療に使われる。

 他人の細胞を移植すると感染症や拒絶反応の危険があるため、移植する場合は事前に治療計画を提出し、厚労省の審議会などで審査を受けることが義務付けられている。

 同法は有効性や安全性がはっきりしない自由診療に歯止めをかけ、信頼性の高い再生医療を推進するために2014年11月に施行。これまで4件の停止命令を出していた。

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