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イ病汚染物質、流出も 神岡鉱山から大雨や地震で 富山で講演弁護士が危険性指摘

(2017年7月3日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像イタイイタイ病の発生源対策について、問題提起をする西山貞義弁護士=富山市内で

 イタイイタイ病(イ病)弁護団の発生源対策主任の西山貞義弁護士(40)=富山市=が二日、富山市内で再汚染防止について講演し、「汚染物質で満たされた堆積場が大雨・地震で決壊したらどうなるか」などと、イ病の発生源となった神岡鉱山(岐阜県飛騨市)の現状を問題視し、「汚染の危険がない状態とは明らかに言えない」と訴えた。(木許はるみ)

 西山さんは、被害住民団体と三井金属が結んだ「公害防止協定」に基づき、科学者らと毎年、神岡鉱山の工場に立ち入り、汚染防止対策を調査している。

 工場には、カドミウムを含む不要物をためるダムのような堆積場があり、「神岡の町と同じくらいの大きさの堆積場が、町のすぐ近くにある」と説明。かつては東洋一と言われた大きさという。西山さんは「雨の降り方が最近変わってきている。対策は十分か。100年後は誰が管理するのか」と疑問を投げかけた。

 ほかにも、工場では現在も排水が土壌を汚染している現状を紹介。汚染された土壌に触れた地下水は、井戸でくみ上げられ、専用の設備で処理されているが、「汚染土壌は地下水にさらされ続けている。くみ上げる会社がなくなったら」と問題提起した。

画像教育の現場で椅イ病を伝えることや行政と協議の場を持つことなど、再発防止の対策おを話し合う参加者=富山市内で

 西山さんは、「『全面解決』にはなっていない」と強調。「会社がなくなっても堆積場や汚染土壌はなくならない。土地がある限り、処理を考える必要がある」と話し、「被害がなければ、被害者団体はなくなっていく。半永久的に取り組むのは行政しかない。行政や県民を巻き込むためには、『イ病の問題がまだ終わっていない』と教育で伝えることが大切」と話した。

 講演会は「イタイイタイ病を語り継ぐ会」(富山市)が主催し、80人が参加。参加者からは対策として、「過去に堆積場が決壊したことがあった。忘れてはいけない」「市民ツアーの開催を」という意見が出た。

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