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低濃度活性酸素 寿命3割延ばす

(2017年7月5日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

名大院グループ、線虫実験

寿命延長の仕組み

 老化の原因とされる活性酸素でも、低濃度であれば、かえって寿命を延ばす可能性があることを、名古屋大大学院理学研究科の森郁恵教授らのグループが突き止めた。4日付の英科学誌に掲載された。

 実験では、ヒトと同じ遺伝子を多く持つ線虫(体長1ミリ)を計10万匹以上使った。納豆や緑茶といった食品や母乳に含まれる化合物ピロロキノリンキノン(PQQ)を与えたところ、平均寿命が12.8日から16.8日へと3割延びた。健康でいる期間も長くなった。

 PQQに一定の老化防止効果があることは知られていたが、寿命を延ばす効果やそのメカニズムは不明だった。グループでは、線虫の遺伝子操作で条件を変えて実験。低濃度の活性酸素が発生すると、寿命の延び具合が大きいと確認した。

 低濃度の活性酸素は、PQQが細胞膜にある酵素に働きかけると発生。免疫力を高める遺伝子群が刺激され、寿命が延びたとみられる。ヒトの培養細胞でも同様の結果が得られた。

 森教授は「活性酸素の合成や分解に関わる酵素を調整できれば、寿命を操作できる可能性もある。認知症の発症年齢を遅らせるなど、健康寿命を延ばす研究につなげたい」と話した。(小椋由紀子)

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