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〈生活部記者の両親ダブル介護〉(20) 金銭管理

(2017年7月5日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

○○○○銀行とバトル

画像息子の著書「わけあり記者」を手に、「わしのことも書いてあるんか」と問う父

 東京・大阪の限界を指摘し、将来の首都化を予感させた名古屋文化圏の愛唱歌「名古屋はええよ!やっとかめ」(歌・つボイノリオ)流に詠じればこうか。「♪○○○○銀行はまあアカン! 終わっとる、とろくさい手間をかけさせられる」

 両親の金銭管理で年金が支給される2カ月に一度、社の介護休暇を取って実家近くの金融機関を回る。「暇じゃないのに『休暇』かよ」というグチは言わない。ため息が出るのは○○○○銀行だ。実名は出さない。好きな平仮名を入れて想像していただきたい。

 母(81)の年金だけでは病院の支払いに足りない。なので、母の定期預金を崩している。問題は、同居していない家族が引き落とすための手続きについて説明がまちまちなのだ。「そんなこと聞いてません」「確かに説明しました」「では前はなぜできたのですか」「管理者(支店長相当)がいたからです」「では管理者を出してください」「出張中です」「そんな都合は利用者には関係ありません」 病により震える手で何枚も書類を書く。心身とも疲弊する。

 前任の管理者当時は平穏だった。まだ母が窓口に来ていた時分。次第に衰えていく様子も見ていた。いよいよ私が管理するとなった時、「お母さん、来られなくなったんですね」と悟ってくれた。ありがたかった。

 「理解」から入るのか、まず「規則」をかざすのか。手続きは同じでも、心の負担はまるで違う。ようやく手続きを終えた後に語る。「ご近所の方々も母と同世代です。嫌な思いをしなくて済むやり方を考えましょうよ」。若い職員は頭を下げた。(三浦耕喜)

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