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馬のまちを 癒やしの場に 笠松でホースセラピー構想 松波総合病院など 引退馬に役割期待

(2017年7月7日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する
ニンジンを与えたり、体に触れたりして馬と触れ合う生徒たち=羽島市正木町の羽島特別支援学校でニンジンを与えたり、体に触れたりして馬と触れ合う生徒たち=羽島市正木町の羽島特別支援学校で

 競走馬として役割を終えた馬に、ホースセラピー(乗馬療法)で活躍してもらおうという構想が、笠松競馬のある笠松町で走りだしている。松波総合病院や町、笠松競馬などが共同で進めている。試行的な取り組みが6日、隣町にある羽島特別支援学校(羽島市)であった。(水越直哉)

 馬にニンジンを与え、たてがみを優しくなでていた子どもたちから歓声が上がった。「かわいいー」。今回は松波総合病院が企画し、笠松競馬がイベント用に所有するミニチュアホース2頭を提供したことで、特別支援学校の子どもたちが、馬との触れ合いを楽しんだ。引退馬ではなく、具体的な治療にも当たらないが、学校や子どもたちにホースセラピーをイメージしてもらうには十分だった。

 様子を見守った松波紀行リハビリテーション科部長(52)は「自閉症の子などは、大人には抵抗があっても、動物だと抵抗なく触れ合える。そこからコミュニケーション能力の向上や心の安定につなげられる」と効果を語った。

 ホースセラピーは、乗馬や馬との触れ合いを通して心身の治癒に役立てる療法。同病院によると、馬に乗って平衡感覚を養ったり、触れ合ってリラックスできる効果などが確認されている。日本では医療保険の適用外だが、ドイツやスイスでは保険適用できる。

 構想を呼び掛けたのは、病院の松波英寿理事長。町内には馬と馬を扱える人材、そして医療機関がある。「これだけそろった場所はない。町全体でホースセラピーに取り組めば、地域活性化の新たなモデルケースにできるのでは」と話す。

 広江正明町長は「馬のまち笠松」の町づくりを進めている。松波理事長が、ホースセラピーへの協力を求めたところ、町の方針に合うとして町も加わった構想が浮上した。

 構想を実現するための病院、町、競馬場などでつくる研究会発足から5カ月。具体化は手探りの状態だ。運営資金や実施主体となる組織の立ち上げなど課題が山積し、計画時期や開設場所などは決まっていない。

 笠松らしい夢のある構想に、松波理事長は「全国からリハビリ患者が集まり、馬に関わる雇用も生まれる。他の地域ではまねできない産業が笠松ならできる」と期待を膨らませている。

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