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子どもの「夏風邪」増加 ウイルス感染 特徴知り対処を

(2017年7月11日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

手足口病 ヘルパンギーナ プール熱

子どもの夏風邪

 手足口病や咽頭結膜熱(プール熱)など、5歳以下の子どもに多い「夏風邪」の患者数が増加傾向にある。高熱のほか、発疹や結膜炎などの症状が出るが、通常は安静にしていれば回復する。それぞれの感染症の特徴を知り、のどの痛みなどで水分が取れないなど、気になる症状がある場合は、早めに小児科医にかかりたい。 (稲田雅文)

 「夏風邪のほとんどは、ウイルス感染が原因で特効薬はなく、症状を和らげることしかできない。高い熱が出ても数日から4、5日で治まりますが、のどが痛くて水分が取れない、嘔吐(おうと)や下痢、せきがひどいときは医療機関を受診してください」。6月下旬、竜美ケ丘小児科(愛知県岡崎市)が、子どもの病気や子育ての知識を伝え、親が正しい判断ができるように開いたミニ講座。鈴木研史院長(49)らが、夏風邪の注意点や家庭での対処法を伝えた。

 国立感染症研究所に全国約3千の医療機関から報告があった手足口病の患者数は、6月25日までの一週間で一医療機関あたり2.41人となった。西日本で多く、前年同時期の約6倍で、大流行する可能性もある。

 手足口病は手や足、口などに小さな水疱(すいほう)ができる感染症で、発熱する場合としない場合があり、熱が出ても1、2日で下がる。発疹は一週間程度で治る。

 エンテロウイルスが原因で、くしゃみなどの飛沫(ひまつ)で感染する場合や、おむつ交換などで手に付いた便から感染する場合がある。

 同じウイルスで起こる感染症にヘルパンギーナがある。のどが赤くなり水疱ができて痛む。39〜40度の高熱が出ることがあるが通常、1、2日で下がる。「のどの水疱が診断のポイント。発熱してもすぐにはのどに水疱が出ないため、元気な様子なら翌日に受診した方が診断できる」と鈴木院長は話す。

 これら2つの感染症よりも発熱が長く続くのがアデノウイルスが原因の咽頭結膜熱だ。4、5日と長めに発熱が続くことが多く、のどが赤くなり、へんとうにうみが付く。結膜炎で目が充血して赤くなり、目やにが出ることがあるのも特徴。国立感染症研究所によると、6月25日までの一週間の患者数は一医療機関あたり0.98人で、過去10年のピークを上回った。山梨、鹿児島県や北海道で患者が多い。

 感染力が強く、子どもがプールなどでタオルを使い回しをした場合などに感染することがある。咽頭結膜熱は学校保健安全法で予防すべき感染症とされ、主な症状が消えてから2日間は出席停止となる。

 注意が必要なのが肺炎などの合併症を引き起こすことがあることだ。鈴木院長は「4、5日たって熱が下がったらまた受診するよう指導しているが、それまでの間にせきがひどくなった場合はすぐ受診してほしい」と呼び掛ける。

 いずれの感染症もウイルスの型が多く、1シーズンに複数回発症することがある。予防は、患者との接触を避け、手洗いとうがいをすることが基本だ。おむつなどの排せつ物は、ビニール袋に入れて処理をする。症状がなくなってもしばらく便にウイルスが混じっていて感染することがある。

 発症した場合は、小まめな水分補給に努め、のどが痛い場合はのみ込みやすい食事を与える。発熱の経過が診断に役立つため、朝、昼、夜の体温をグラフにする熱型表に記録しておき医師に伝えたい。

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