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骨粗しょう症予防に奮闘 金沢骨を守る会 三浦雅一さん

医人伝

(2017年7月11日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

金沢骨を守る会(石川県金沢市) 代表 三浦雅一さん(58)

画像骨粗しょう症の予防啓発に取り組む金沢骨を守る会代表の三浦雅一さん=金沢市金川町の北陸大薬学キャンパスで

 首都圏で骨の研究を続け、金沢市の北陸大教授に就任後の2009年、骨粗しょう症の啓発活動をする「金沢骨を守る会」を金沢に設立した。老若男女すべての人に「1年に1度は骨密度を測ってほしい」と訴える。

 骨粗しょう症は骨密度が低下して骨がすかすかになり、骨折しやすくなる病気で、日本で1280万人いるとされる。閉経によるホルモンの欠乏が要因の1つのため年配の女性に多いが、男性にもいる。最近は生活習慣病との関係を指摘する研究結果もあり、若い人でもかかる可能性はある。

 山形県生まれ。高校時代に読んだ本「物理の散歩道」をきっかけに「白衣を着た仕事をしたい」と研究者の道へ。埼玉医科大の生化学研究室で骨転移のがんの研究を進めるうちに骨そのものへの関心を抱くようになり、骨粗しょう症の診療ガイドラインの編さんにも携わった。

 縁もゆかりもなかった石川県に来て驚いたのは「冬のどんよりとした天候」。骨粗しょう症の予防の鉄則は丈夫な骨を作るカルシウムの摂取、骨と筋肉を鍛える適度な運動、体内でビタミンDを作る日光浴の3つ。石川県はすっきり晴れた日が少ない上に小魚を食べる習慣もなく、車での移動が日常的。「こういう場所で骨粗しょう症を防ぐ活動をしたい」と奮起した。

 守る会では毎年3月の春分の日を「金沢骨粗しょう症デー」と定め、医療関係者を講師に招いて市民フォーラムを開催。「骨粗しょう症撲滅月間」の1〜3月には、ラジオ番組に出演して啓発したこともあった。会の幹事には地元の報道機関、乳製品の製造販売会社などが名を連ねるほか、カルシウム豊富な野菜を提供してくれる農家も協力。「地域に根付かせるには住む人が行動しないと意味がない」

 最近はテレビ番組で骨粗しょう症が取り上げられることも多く、予防のための3つの鉄則は世間に浸透しつつある。しかし「まだ骨密度を測っている人は少ない」。高齢化が進むにつれ、骨粗しょう症に悩むお年寄りは今後も増えるとみられ、スクワットに似た動きで骨と筋肉を鍛える「ロコモ体操」の浸透を今後の活動テーマに据える。

 大学帰りに自宅周辺を散歩する「街中ウオーキング」が日課。酒好きだが、カルシウム摂取も心掛けて「小さいアユを焼いて頭からばりばり食べる」。(中平雄大)

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