つなごう医療 中日メディカルサイト

冷房に冷たい飲み物…不調の一因に

(2017年8月1日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

もしかして 現代版冷え症!?

体を冷やさないコツ

 夏本番。暑いからと、冷房の効いた部屋で冷たいものばかり食べたり飲んだりしていると、蓄積された「冷え」が生理トラブルや目まい、自律神経の乱れを引き起こすことがある。「自分は丈夫」と思っていても、冷え症になっている可能性も。対処法などを専門家に聞いた。(竹上順子)

 「薄着で冷房の効いたオフィスで過ごし、冷たい飲み物で胃腸を冷やす。そのような夏を何年も過ごしていると、蓄積で『現代版冷え症』になる恐れがあります」。冷えや自律神経失調症に詳しい目黒西口クリニック(東京都品川区)院長の南雲(なぐも)久美子医師は話す。

 冷え症といえば、低血圧や貧血傾向の虚弱な女性が訴えるのが一般的だった。これを「古典的冷え症」とすれば、南雲さんが近年増えたと感じるのが「現代版冷え症」。「『古典的』な人は冷えを自覚して対処しているが、『現代版』の人は自分の体力を過信し、不調になってから冷えに気付くケースがほとんどです」

 冷え症で南雲さんのクリニックを訪れるのは主に女性。症状は年代ごとに異なる。20代は肌荒れや生理のトラブルが多く、「冷えが原因と気付きにくい」。30代は目まいや頭痛、耳鳴り、頻尿で受診者が増えて、40代は動悸(どうき)やうつ、不眠、イライラなどの訴えが多いという。

 冷え症で、体温を調節する自律神経のバランスも崩れやすくなるという。南雲さんは「漢方では『冷えは万病のもと』。放置すると病気や、生活の質の低下につながる恐れがある。きちんと受診して」と勧める。

 そのためには不調を見逃してはいけない。「例えば20代で子宮内膜症などの病気がないのに、1回の生理で鎮痛剤が何錠も必要なら、冷えを疑った方がいいでしょう」と南雲さんは説く。

 冷え症の人に対して、南雲さんが主に行うのは漢方薬による治療と生活指導。「特に洋服と食べ物に気をつけてほしい」。冷やしてはいけない場所は、首の後ろとおなか回り、足首。首の前はあけてよい。スカーフなどがお薦めだが、アウトドア用品の薄手のネックウオーマーも使いやすい。

 最近は足首を出すファッションが主流だが、南雲さんは「生理前と排卵日前後は温かくしたり、足の指の汗を吸収する5本指の中履きソックスを履いたりするといい」。レッグウオーマーや薄手の腹巻きも有効。コーヒーやビールは体を冷やすので避け、体を温める紅茶にするといい。

 「現代版冷え症は夏につくられ、秋に疲れや不調として出る」と南雲さん。冷やしすぎに気をつけ、上手に夏を乗り切ろう。

食べ物や入浴で効率良く温めて

 食べ物や入浴で効率良く体を温めることもできる。東京ガス「食」情報センターの栄養士、茂木(もてぎ)一江さんは「体を温める旬の食材は玉ネギ、カボチャ、ニラなど」と話す。糖質やタンパク質、脂質をバランス良く取ることも大切。生食より加熱調理を勧める。例えばニラは牛肉や鶏肉と合わせて油で炒めたり、生で食べることの多いトマトも玉ネギ、ニンニクなどと煮込んでスープにしたりする。

 キュウリやナスは体を冷やすといわれるが、茂木さんは「体を温める香味野菜のショウガ、ネギ、ニンニクなどと組み合わせると大丈夫。マーボーナスもいい」。カレーは新陳代謝を促すスパイスが多く、お薦めだ。

 入浴はシャワーより、湯船につかる方が温まる。同社都市生活研究所の足立昌光主任研究員によると、全身浴なら約10分、ぬるめの湯の半身浴なら約20分で体が十分温まる。清涼感のある入浴剤やハッカ油を浴槽に5、6滴入れると、入浴後の暑苦しさが和らぐ。

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人