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子宮移植の課題探る 八事日赤 院内チームが会議

(2017年8月3日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像子宮移植の実施に向け会議をするプロジェクトチーム=2日、名古屋市昭和区の八事日赤で

 子宮の生体移植手術の実施を目指す名古屋第二赤十字病院(八事日赤、名古屋市昭和区)で2日、院内プロジェクトチーム(PT)の会議が開かれた。山室理第一産婦人科部長は「このような医療を待たれている患者さんがいるのが現実。実現に向け問題点を探りつつ困難を克服していきたい」とあらためて意気込みを語った。

 子宮移植は生命維持に関わらないため、提供者(ドナー)の身体的、精神的負担など倫理面での課題が指摘されている。会議では、5人の出産に成功しているスウェーデンで、医療機関が倫理委員会に申請した実例をもとに、今後の流れや患者、家族への心理的サポートの必要性などを話し合った。八事日赤での実施には、まず院内の倫理委員会に申請し、承認される必要があるが、山室部長は会合後「年内の申請は難しいのではないか」との見通しを示した。

 2008年から研究を続けている慶応大や東京大などの合同プロジェクトチームのメンバーで、外部アドバイザーとして出席した済生会川口総合病院(埼玉県川口市)の三原誠医師は「ここでなら十分、実現可能だと思う。スタッフ間ですりあわせをしていきたい」などと話した。

 子宮移植は生まれつき子宮がない「ロキタンスキー症候群」や、がんなどで子宮を失った人が対象。胎児を育てる子宮の機能は閉経後も残ることから、提供者は母親が想定されている。

 高校生の娘がロキタンスキー症候群だという愛知県内の40代の女性は「(病気が分かり)家族で泣いていたが、私が子宮をあげられる希望が出てきた。子宮移植実現へ国が動いてほしい」と本紙に語った。

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