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抗がん剤で心筋萎縮 仕組み解明

(2017年8月4日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

岡崎の生理研発表 副作用軽減に期待

抗がん剤による心筋萎縮の仕組み

 抗がん剤治療の副作用で起きる心臓の筋萎縮の仕組みと、これを抑制する化合物を自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)の西田基宏教授らのグループが特定した。同研究所が発表、成果は3日付の米医学誌「JCIInsight」(電子版)に掲載された。

 将来、副作用を抑える薬の開発につながることが期待されるという。

 がん治療に用いられる抗がん剤は、疲労感や筋肉痛、心筋症などの副作用があることが問題視されてきた。心筋や骨格筋の萎縮が原因だが、仕組みは不明だった。

 西田教授らは、抗がん剤の一種「ドキソルビシン」をマウスに与え、心筋の萎縮を調査。投与に伴って、心筋の細胞膜にあるタンパク質で、カルシウムを細胞内に通す「TRPC3」と、酵素「Nox2」が複合体をつくって、有害な活性酸素を発生させ、心筋細胞が縮むことが分かった。

 さらに、免疫抑制剤として開発された化合物「ピラゾール3」をマウスに与えたところ、複合体の形成を阻害し、心筋の萎縮を抑えることも明らかになった。

 西田教授は「複合体を防ぐ薬の開発は、健康長寿社会に大きく貢献する可能性がある」と話している。

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