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慢性心不全の要因 タンパク質が過剰反応 名大グループ解明

(2017年8月13日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
慢性心不全の要因 タンパク質が過剰反応 名大グループ解明

 心臓の心筋細胞を活性化するタンパク質「CRHR2」が過剰に反応した状態が続くことで慢性心不全を発症する仕組みを、名古屋大大学院医学研究科の竹藤幹人助教らのグループが突き止めた。新たな治療法や薬剤の開発が期待される。

 心不全は、心臓の動きが悪くなって全身に血液が送れなくなった状態にある症状のことで、全世界で3千万人の患者がいるとされる。慢性心不全は心筋症など心臓の病気や糖尿病、腎臓病などが進行して起き、息苦しさなどの症状に長く苦しむ。高齢化の進展などに伴い患者数は増加傾向が続いているが、1980年代以降、治療薬に目立った進歩がないのが実情だ。

 グループが、慢性心不全のマウスの心筋細胞を遺伝子解析したところ、CRHR2が増えていることを発見。心臓を動かすホルモンの命令を受けたCRHR2が長期間、過剰反応し「やせ馬にムチを打つ」ように弱った心臓にストレスを掛けていることが分かった。薬剤を使い、CRHR2を作れなくしたり、働きを抑えたりすると症状の進行を抑えることができた。

 また、人間の心不全患者60人と健常者200人で、CRHR2に命令を出すホルモンの量を調べると、心不全の患者の方が7.5倍多かった。竹藤助教は「ホルモン値を調べることでより詳しい病態が分かる。CRHR2を抑える新薬を開発し、ホルモン値が高い人に投与するなど、より有効な治療法につながる可能性がある」と話す。成果は米医学誌に掲載された。

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