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マダニが媒介、鳥のふんで感染… ペットがうつす病気注意 野良猫にかまれ、死亡も

(2017年8月22日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する
国内で発生しているペットなどからの主な動物由来感染症

 野生動物やペットなどから人に感染する病気「動物由来感染症(ズーノーシス)」。近年多くの人が発症し、中には死亡したケースも。野良猫にかまれた女性が、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で死亡した事例や、妊産婦2人がオウムやインコのふんから感染する「オウム病」にかかって死亡した事例などだ。身近な場所や場面で感染する危険性もある。国はあらためて感染への注意を呼び掛けている。(砂本紅年)

 国内で2013年以降毎年、死亡例が報告されるSFTSは、シカなどの哺乳動物からマダニを介して感染する動物由来感染症の1つだ。

 国立感染症研究所によると、13年以降に報告された国内患者280人のうち58人が死亡し、致死率は約20%。同研究所ウイルス第一部長の西條政幸さんは「患者の平均年齢は74歳。年齢が高くなるほど死亡率も高い」と話す。

 SFTSは11年に中国で初めて報告され、その後、日本と韓国で相次いで見つかった。感染経路や症状は、同じ動物由来感染症のうち、アフリカや中東で流行している「クリミア・コンゴ出血熱」と酷似する。

 国内の症例は西日本が中心。マダニの活動期にあたる5〜10月、野山や草地で、人が直接マダニにかまれて感染する例が多い。

 先月には、身近な動物から感染したとみられるケースが明らかに。50代女性が昨夏、体調の悪い野良猫を動物病院に連れて行こうとして手をかまれ発症、約10日後に死亡した。猫がマダニにかまれSFTSに感染していたとみられる。今年は、ペットの犬と猫一例ずつから、SFTSの感染が確認された。

 西條さんは「感染はまれだが、屋外にいる体調不良の動物には触らないでほしい。触れる時はかまれたり、なめられたりしないよう最大限の注意を」と話す。飼い主は、ペットにダニ駆除剤を投与したり、体調不良時は動物病院を受診したりすることが必要という。

口移し、はし共用など 濃厚接触避ける

動物由来感染症の予防のため、日常生活で注意すること

 動物由来感染症は、動物と人との間で感染する病気で、世界で200種類以上に及ぶ。重症急性呼吸器症候群(SARS)、エボラ出血熱など治療法、ワクチンが未確立の病気もある。日本での感染リスクは低いが、ペットなどから感染する可能性があり、日ごろから注意が必要だ。

 動物の口の中や爪には細菌やウイルスがいることがある。ペットに口移しでえさを与えたり、スプーンやはしを共用したりしない。布団で一緒に寝るなどの濃厚接触も避ける。

 動物が病原体を持っていたり、毛にカビの菌糸や寄生虫の卵がついていたりすることもある。触ったら必ず手洗いをする。砂場など動物がふんをしがちな場所で遊んだ後も同様だ。

 ペットのケアも大切。ブラッシングや爪切りなどで手入れし、寝床や小屋、鳥かごなどは清潔に保つ。タオルや敷物、水槽などは細菌が繁殖しやすい。定期的な洗浄、清掃が必要だ。

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