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お元気ですか 〈1469〉 胃食道逆流症 生活改善で防ぐ

(2017年8月23日) 【中日新聞】【朝刊】【滋賀】 この記事を印刷する
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 胸やけなどの逆流症状を訴えて来院する患者さんが増えています。これは、生活習慣や食生活の変化、ストレスなどが影響を及ぼしていると考えられます。

 今回取り上げる「胃食道逆流症」は、食道内に逆流する胃酸によって食道粘膜に障害をもたらす病気です。皆さんは逆流性食道炎という病名はご存じかもしれません。実際には症状があるにもかかわらず、内視鏡で食道炎が認められない患者さんがいるため、近年胃食道逆流症という概念が生まれました。本質的には両者は同じ病気です。

 症状は、みぞおちから前胸部にかけて焼けるような、いわゆる胸やけや口の中まで酸っぱい水が上がってくる呑酸(どんさん)といわれる症状です。発生機序としては食道下部の括約筋の一過性弛緩(しかん)(ゆるみ)が原因とされます。その要因は複雑ですが、暴飲暴食、高脂肪食や肥満などが考えられます。

 胃食道逆流症の診断は、まずは胸やけや呑酸等の症状が基本となります。そのほか、せき、ぜんそく様の呼吸器症状、また咽喉頭違和感や咽頭痛などの耳鼻科領域の症状、さらには循環器症状を思わせる非心臓性胸痛などもあります。このように食道以外の症状も出現するため注意が必要です。

 治療としては酸分泌抑制作用が強いプロトンポンプ阻害薬の内服が有効で、一般に8週間の初期治療で症状が改善されます。内服を終了すると症状が再燃する患者さんがあり、内服を続ける維持療法も考慮されます。

 胃食道逆流症は、ただでさえ胃酸分泌が増加するストレス社会の昨今、時代が生み出した現代病なのかもしれません。ですから内服治療だけでなく、普段の生活改善が重要です。食生活では食べ過ぎ、脂肪分の多い物や甘い物を控えること。生活習慣では喫煙、飲酒、肥満を避けることで症状の改善が期待されます。そしてストレス発散です。

 最後に胸やけを起こす疾患は胃食道逆流症だけではありません。胃・十二指腸潰瘍、食道がん、胃がんなどでも同様の症状がありますので、診断にあたっては内視鏡検査を受けることが大切です。(湖南市、深野美也=滋賀県医師会)

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