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市立長浜病院 小児科休診の恐れ 来年度以降 後任の医師が未定

(2017年8月24日) 【中日新聞】【朝刊】【滋賀】 この記事を印刷する
画像小児科休診の危機にある市立長浜病院=長浜市大戌亥町で

 長浜市の市立長浜病院(同市大戌亥町)の小児科が、本年度いっぱいで休診の危機に陥っていることが分かった。同科の医師が派遣元へ引き揚げるためで、現時点で後任は見つかっていない。湖北地域の小児救命救急診療の拠点の一つだけに、市や病院は、科の継続に向けて対応に追われている。(浅井弘美)

 病院によると、同科は現在、外来と入院のほか、湖北地域の休日・夜間の救急診療を週1回担当している。外来は、小児科医二人が交代で診察し、長浜市や米原市から1日平均約40人が訪れている。近年は発達障害の診察のほか、在宅の重症心身障害児の治療も対応している。

 同科は長年、岐阜大から医師の派遣を受けており、昨年度までは常勤医二人と元病院長、研修医の計4人で診察していた。しかし、昨年度末で、常勤医一人が、岐阜県内の医療体制の充実を理由に同大へ引き揚げられた。研修医も同時期に退職。医師が半減したため、夜間の救急診療をそれまでの週2日から週1日に縮小するなどして対応してきた。

 しかし、残った常勤医も本年度末で岐阜大へ戻ることになっている。元病院長は高齢で夜間の救急診療など対応が難しいという。

 事態を受けて市や病院は、県内の医療体制の中心的役割を担う滋賀医科大(大津市)に常勤医の派遣を要請。しかし同大は、長浜病院と同じく湖北地域の小児救命救急診療の拠点である「長浜赤十字病院」(長浜市宮前町)に小児科医を複数人派遣しており、長浜病院に送り出す余剰人員はないという。

 市や病院は、週1回でも勤務可能な医師を探しているが、確保できていない。来年4月以降、後任のめどが立たなかった場合、同科は休診になる。入院患者は常勤医がいることが条件のため、患者の受け入れもできなくなるという。

 長浜病院が休診になると、湖北地域の休日・夜間の救急診療は長浜赤十字病院に集中することになる。長浜病院では必要に応じて、発育異常や切迫早産などのハイリスク分娩(ぶんべん)にも応じてきたが、それも難しくなるため、リスクを抱える妊産婦は今後、長浜赤十字病院などへの転院を勧めざるをえないという。

 市によると、15歳未満の人口は1万6249人(8月1日現在)で、年間生まれる赤ちゃんは1000人近くいる。市は本年度、「子育て世代に選ばれるまち」に向け、ゼロ歳から2歳児を中心に支援策を広げ、保育所整備などへ積極的に予算を投入している。それだけに今回の問題は大きな痛手だ。

 病院担当者は「総合病院で一部の科がないというのは厳しい」と滋賀医科大からの派遣を切望。市子育て支援課の担当者も「医師をしっかり確保し、小児科を続けてもらいたい」と話している。

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