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拒絶反応起こさず 他人のiPS移植

(2017年8月25日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
拒絶反応回避のイメージ

 他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った細胞を移植した際に起きる恐れがある拒絶反応の一つを、遺伝子操作を利用して回避することに試験管内の実験で成功したと、京都大の河本宏教授(免疫学)らのチームが24日付の米科学誌電子版に発表した。

 他人の細胞から作ったiPS細胞を備蓄し、研究機関に広く迅速に提供する京大iPS細胞研究所のストック事業に役立つ可能性があるという。

 チームによると、他人のiPS細胞移植では、「T細胞」という免疫細胞に攻撃されることで拒絶反応が起きることが知られている。ただ、免疫反応が起きる目印になる特定の細胞の型(HLA型)が半分同じ人であれば、移植後、T細胞による拒絶反応は起きにくいとされる。

 チームは、拒絶反応を幅広く調べようと、「ナチュラルキラー(NK)細胞」という免疫細胞について研究。他人のiPS細胞から血液の細胞を作り、HLA型が半分同じ人のNK細胞と一緒に試験管に入れたところ、拒絶反応が起きた。

 特定のHLA型が100%同じになるように、他人のiPS細胞の遺伝子を組み換えると、拒絶反応の一つが起きなくなった。NK細胞の場合、HLA型が100%合っていないと拒絶反応が生じるとチームはみている。

 河本教授は「免疫抑制剤の服用を減らせるように研究を進めたい」としている。

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