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早産の自閉症 リスク低減

(2017年8月26日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
画像東田陽博特任教授

母乳、粉ミルク通し脳内ホルモン

 愛情や信頼といった社会性に関わる脳内ホルモン「オキシトシン」が母乳に含まれ、タンパク質の一つ「RAGE」(終末糖化産物受容体)によって小腸から吸収される仕組みを、金沢大などの研究グループがマウスの実験で発見した。自閉スペクトラム症のリスクが高いとされる低体重児に母乳や粉ミルクでオキシトシンを与えることで、発症の低減につながるという。(押川恵理子)

 自閉スペクトラム症の改善効果を検証する研究では患者の鼻にオキシトシンをスプレーで噴射している。今回、小腸での吸収の仕組みが判明したため、より服用しやすい飲み薬や錠剤の治療薬開発が期待される。

画像山本靖彦教授

 研究者は金沢大子どものこころの発達研究センターの東田陽博(はるひろ)特任教授(神経化学)や金沢大医学系の山本靖彦教授(血管分子生物学)ら。

 妊娠27週よりも早く生まれた低体重児は、自閉スペクトラム症のリスクが正常児の1.2〜1.5倍とされる。

 東田教授は「飲み薬なら乳児もオキシトシンを服用しやすい。できるだけ小さな年齢から服用していけば、自閉スペクトラム症の改善効果は大きい」と話す。

 研究成果は英国の総合科学誌「Scientific Reports」(電子版)に11日掲載。金沢大は3月、オキシトシンを粉ミルクなどに入れることの特許も出願した。

 母親の血液中にあるオキシトシンは母乳に移り、乳児が飲むと小腸から吸収されると推測されてきたが、今回、その仕組みがマウスの実験で明らかになった。生後間もなくは小腸に腸管障壁がないため、オキシトシンはそのまま血中に入る。障壁ができた後は、RAGEがオキシトシンを運ぶ役割を果たしている。

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