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むだ毛処理、ピアスなどで肌トラブル

(2017年8月29日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

アレルギー症状の可能性 思春期、妊娠… 体質変化に注意

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 むだ毛処理や化粧、髪染め、アクセサリー、制汗剤などをきっかけに、肌のトラブルを招くケースがある。薬などでは肌荒れが治まらず、かえって悪化することも。これまで気付かなかったアレルギーやホルモンバランスの変化が、原因として潜んでいた可能性がある。(砂本紅年)

 都内の会社員女性(28)は6月中旬、かみそりで脇毛をそった痕がかゆくなり、赤いブツブツができた。この発疹はやがて首元や脚など全身に広がった。汗による「あせも」と思い診療所で塗り薬をもらったが、治るどころか悪化。紹介された東邦大医療センター大森病院(東京都大田区)で診察を受けた。

 1カ月以上かけて複数の検査をし、原因はかみそりの刃による金属アレルギーと分かった。女性は「これまで使っても平気だったのに、アレルギーなんて」と驚いていた。

 診察した皮膚科教授の関東裕美さんは「アレルギー症状は抑える力があるうちは気付かないので、起きた時は突然と感じてしまう」と説明する。

 本来無害な花粉や食物などを体内から追い出そうとする抗体が体質的につくられてしまっている人は、免疫システムが乱れると、無害なはずの物質が皮膚や目、鼻などから吸い込まれた時にさまざまなアレルギー症状が出る。

 この女性は妊娠初期だった。この体質変化が一因となり、アレルギー症状が出やすくなったとも考えられる。

 同様のことは、耳にピアスの穴を開けた後、金属アレルギーが誘発されるケースでもいえる。ピアスを初めて使う時期が、ホルモンバランスが不安定で肌質が変わりやすい思春期と重なることも多いため、アレルギー反応が出やすくなるというのだ。生理、妊娠中とその前後も、アレルギー反応に起因する肌トラブルを起こしやすいという。

 関東さんによると、過去に何らかのアレルギーを経験した人は、いったん症状が治まっても、何らかのきっかけでアレルギー症状が出ることがあるという。

 「幼児期のアトピー性皮膚炎は小学校高学年ごろまでに治まることが多いが、素因(病気にかかりやすい素質)としては残っているので注意が必要」と関東さん。本人や親が忘れた頃に再発したり、花粉症や金属アレルギーなど別のアレルギー症状として現れたりすることもある。

 関東さんは「アレルギー性の鼻炎、結膜炎、気管支ぜんそく、じんましん、食物アレルギーなどの経験も素因として残ると考えていい。次のアレルギー反応が出ないよう、ホルモンバランスや体調の変化に目を配ることが必要」とアドバイスする。

 まだまだ暑い日が続く。汗をかくと肌荒れが起きやすい。そこへ脱毛クリームやワックス、制汗剤、毛染めクリーム、二重まぶたをつくるのりやテープなどを繰り返し使用すると、アレルギーでなくても、肌トラブルの原因になることがある。

 関東さんは「肌にピリッとしみるなど、刺激を感じたら使わないこと。体質や皮膚質は一人一人違う。『友達が大丈夫だから、自分も大丈夫』とは限らない」と警鐘を鳴らす。

画像関東裕美さん

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