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ダウン症や低体重の子向け母子手帳

(2017年9月1日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

他の子と比べず見守る

画像ダウン症児向けの手帳

 ダウン症や低体重で生まれ、発育がゆっくりな赤ちゃんに合わせた母子手帳が好評だ。各自治体が作る母子手帳には、月齢ごとの平均的な身長や体重が載っているのが一般的なため、こうした子の母親たちの間には「あせったり、落ち込んだりしてしまう」といった声があった。手帳はそれぞれの関係者や団体が作製。いずれも、母親がわが子を他の子と比べずに、落ち着いて見守れるよう工夫されている。(花井康子)

 「ゆっくりでも成長を大切に思い、幸せを感じられるようになった」。愛知県江南市でダウン症児向けの手帳を使い、5カ月の長男を育てる母親(35)は、こう話す。出産直後は不安からインターネットで大量に情報を集めたが、今は長男の寝顔を見てほほ笑む。

関係者ら作製、好評

画像弘晃君(右)に手帳に記した成長の記録を見せる佐橋由利衣さん=愛知県江南市で

 ダウン症の手帳は「子育て手帳 +Happyしあわせのたね」の名称で、B6判65ページ。東海地方を中心とするダウン症児の親のサークル「21+Happy」が4年がかりで作製し、日本ダウン症協会(東京)が7月に配布した。

 ダウン症の特徴や他の親の体験談をまとめたほか、成長や予防接種の記録などを書き込めるようにした。一般的な母子手帳では「つかまり立ち」「歩く」「言葉を発する」など、月齢ごとにできるようになったことを答えるが、この手帳ではできた日を「記念日」として記入するようにした。

 サークル代表で愛知県江南市の佐橋由利衣さん(44)の長男弘晃君(10)もダウン症がある。設問全てに「できない」と答えることに落ち込んだ自身の体験を踏まえ「できたことを喜び、親も前向きになれる手帳を作りたい」と考えた。

 同協会が無料配布している。郵送の場合は、1冊100円の送料が必要。在庫がなくなり次第終了するが、日本ダウン症協会の公式サイトから無料でダウンロードできる。問い合わせは同協会=電03(6907)1824=へ。

発育曲線、目盛りゼロから

 静岡県では、体重2000グラム未満で生まれた新生児のための母子手帳「リトルベビーハンドブック」(A6判74ページ)が使われている。一般の手帳は、発育曲線の目盛りの下限を1000グラムや2000グラムとしているものが多く、それより少ないと記入できない。そのため、この手帳では目盛りをゼロからにした。

 手帳は、県立こども病院の新生児集中治療室(NICU)に入院した子と親のサークル「ポコ・ア・ポコ」代表で保育士の小林さとみさん(50)らが2012年に4500部の配布を開始。NICUのある県内の病院などで配ってきた。

 静岡市駿河区のパート富田友里子さん(28)は妊娠27週で出産した。長女(4つ)の出生時の体重は946グラム。当時は「大きく産んであげられなかった」と自分を責め、泣いてばかりいたが、この手帳をもらい、先輩ママからのメッセージに励まされたという。

 配布予定部数は終了したが、今後は県と連携し、内容を更新して来年度からの再配布を目指している。小林さんは「本来は、いろんな病気や障害に応じた手帳が必要。全国に広がるとうれしい」と話している。

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