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がんと腸内細菌 関係は? 金沢で微生物研究シンポ

(2017年9月1日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する
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 石川県立大腸内細菌共生機構学寄付講座のシンポジウム「北陸の微生物研究」が31日、金沢市内のホテルであった。北陸の若手研究者が成果を報告。金沢大医学系の飯田宗穂(のりほ)助教(消化器内科)は、腸内細菌の多様性が低いことが肝がんの発症に関わる可能性を発表した。

 腸内細菌は人間の体内に200種類、100兆個以上あるとされる。その集まり「腸内細菌叢(そう)」の異常と肝がん発症の関係性は、マウスの実験で報告されている。

 人間の場合を検証しようと飯田助教らは、慢性肝炎患者、肝がん患者、健常者の計44人の便のDNAを解析。それぞれの便をマウスの体内に移植した結果、患者の便を移植されたマウスは小腸の細菌が過剰に増え、肝腫瘍が確認された。このことから人間も腸内細菌叢の異常が発がんを促進していると結論づけた。

 肥満者、重症の低栄養児とも腸内細菌の多様性が低いとの論文も紹介。「健康な腸内細菌叢とは多様な細菌の種類があり、善玉菌が多く、悪玉菌が少ない」との考えを示した。

 講座は公益財団法人発酵研究所(大阪市)の寄付で2013年10月に開設。シンポジウムには研究者や高校生、大学生ら80人が参加した。 (押川恵理子)

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