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中皮腫の死者 年3万8000人 世界推計 「石綿禁止を」

(2017年9月5日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 アスベスト(石綿)が主な原因となるがん「中皮腫」で死亡する人は世界で年約3万8400人との新たな推計を、産業医大(北九州市)などの国際研究チームが四日、シンガポールで開催中の世界労働安全衛生会議で発表した。

 日本では2012〜14年の平均で1357人が死亡。中国などデータが乏しい国や地域もあるため、世界の死者数は明確になっていない。今回はデータ不足の国や地域の実態も加えており、中皮腫の主な原因である石綿被害の広がりを改めて印象付けた。

 チーム代表で豪シドニー大石綿疾患研究所の高橋謙所長(環境疫学)は「精度の高い推計ができた。これほど多くの被害をもたらす石綿は、世界中どこでも使用を禁止すべきだ」と訴える。

 今回は、信頼できるデータのある日本など59カ国での中皮腫死者の性別や年齢を基に、データの乏しい国や地域の石綿の使用状況も踏まえて、12〜14年の世界の年平均死者数を推計した。

 中皮腫は石綿を吸い込んでから数十年を経て発症する。日本では1970年代から90年代にかけて石綿が大量に輸入され、12年に製造販売が禁止されたが死者数は増加傾向にある。

 世界保健機関(WHO)は、世界中で1億2500万人が職場で石綿にさらされており、中皮腫をはじめ、関連疾患のため、年間約20万人が亡くなっているという大まかな見積もりを公表している。

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