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〈生活部記者の両親ダブル介護〉(24) 親族の食事会

(2017年8月30日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

皆に囲まれうれしそう

画像おいっ子、めいっ子らと再会する父。こんな父の表情を見るのは初めてです

 親族の法要が営まれる週末の午前9時。ほぼ空き家となっている実家で弟(45)と落ち合う。手はずを確認し、出立する。「父(80)を親族の食事会に連れ出す作戦」が始まった。

 会場である本家に向かう。法要の開始が遅れ、始まった直後に妻と父の施設へ急ぐ。喪服で年寄りの施設に出入りするのは穏やかではない。夫婦とも略装を許してもらった。施設の玄関に車を横付けすると、車いすの父が1階に連れられてきた。施設に託しておいた黒ズボンと半袖シャツ姿だ。車へ移乗させる時、前より手助けと時間がかかるようになったことに気付く。

 トイレの間隔から、外出は2、3時間。法要と食事会の両方に出るのは無理だと父に問うと「皆と話がしたい」と食事会を選んだ。会場の店では、先回りした弟が車いすに移しやすい駐車スペースを確保している。店内への動線も先週、店に車いすを持ち込んで確認済み。バリアフリーではないが、車いすではつまずきやすい石畳の凸凹も、車いすを後ろへバックするように引けば、スムーズに動かせることを発見した。押してダメなら引いてみなだ。

 座敷に椅子の会場。上がり口からは親戚一同、父に寄ってたかって席までの2、3メートルを支えた。皆に囲まれ、席に着いた父の表情も和む。脇で弟が「ちょびっとだけ」と制しても、皆、父のグラスにビールをつがずにいられない。

 酔いか感激か両方か、最後の方は父は脱力状態。親戚一同で車に押し込んでもらう。「こりゃ母の病院へは寄れんな」。そう判断して車を施設に向けた。

 あと何回、父は親しい人たちに会えるのか。本人は「10年は大丈夫や」と言うのだが。(三浦耕喜)

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