つなごう医療 中日メディカルサイト

認知検査強化で事故防止 免許返納 自治体後押し 道交法改正半年 バス運賃を支援

(2017年9月13日) 【中日新聞】【朝刊】【長野】 この記事を印刷する

 75歳以上の高齢ドライバーに対する認知機能検査を強化した改正道交法が施行され、12日で半年を迎えた。県内では、7月末までに774人が「認知症の恐れがある」と判定され、うち認知症と診断された22人が運転免許を取り消された。運転に不安を抱えるお年寄りが運転免許証を自主返納しやすいよう、行政が後押しする動きも広がっている。(斉藤和音)

 県警によると、施行後に認知機能検査を受けた人は7月末現在、2万5091人。認知症の恐れがあると判定されたのは3%の774人で、このうち346人が医師の診断書を提出するよう命令を受けた。残る428人は免許を返納したり更新せず失効したりしたという。

 改正道交法では、75歳以上のドライバーを対象とした検査で、認知症の恐れがあると判定された場合に医師の診察を義務化した。医師に認知症と診断されると、免許の取り消しか停止となる。

 この検査は免許更新時に実施され、信号無視や逆走などの交通違反をした場合も対象となる。

 県内で今年に起きた死亡事故は12日現在、50件で、このうち65歳以上のお年寄りが原因の事故が24%だった。

 県内の65歳以上の免許保有者は約41万人に上り、全免許保有者に占める割合は27.6%。昨年は過去最高の5013人が免許を自主返納した。今年も7月末までに4123人が返納し、うち65歳以上は昨年同期を1394人上回る3988人だった。

 お年寄りの自主返納を促す取り組みが各地で進んでいる。県によると、伊那市は返納した市民を対象に市内のバス運賃を半額にし、木曽町は1万円分のバス回数券を交付するなど、県内の半数以上の市町村が支援制度を設けている。

 坂城町も今月1日、返納した町民を対象に町内の循環バスの運賃を無料にする試みを始めた。警察署などで取得できる運転経歴証明書を提示すれば無料で乗れる仕組み。町の担当者は「加害者になるお年寄りが一人でも減るよう、不自由なく暮らせる環境につなげたい」と説明している。

中日新聞広告局 病医院・薬局の求人