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O157女児死亡 県内スーパーが対応 ばら売り中止 トング安全管理 消費者は不安、総菜買い控えも

(2017年9月24日) 【中日新聞】【朝刊】【長野】 この記事を印刷する
画像パック詰めの商品が並ぶ総菜売り場。持ち手が食品に触れないようトング置きも設置している=飯田市のキラヤ黒田店で

 埼玉、群馬両県の系列総菜店のポテトサラダなどを食べた人が腸管出血性大腸菌O157に感染した食中毒が、県内でも波紋を広げる。客が好みの総菜を取り分けるトングが感染させた可能性が出ており、パック詰めに切り替えたスーパーが急増。「総菜を買うのを控えるようになった」と市民も不安を隠さない。(伊勢村優樹)

 O157は、菌が付着した食品などから経口感染し、腹痛や下痢を起こす。今月上旬には前橋市の総菜店で購入した総菜を食べた3歳の女児がO157に感染して死亡するなど、命に関わることもあり、他のスーパーでも神経をとがらせる。

 飯伊地域でスーパー9店舗を展開するキラヤ(飯田市)は、3歳女児が亡くなったとの報道後から全店で、よく売れるコロッケを除く揚げ物のばら売りを中止し、パック詰めで提供している。「『食べきることができる量だけ欲しい』と一人暮らしの高齢者から言われるが、不安をなくすためには仕方がない」。商品部の尾曽貴志部長(58)は安全優先の考えを強調した。

 キラヤは、コロッケ用トングの持ち手が食品に触れないようトング置きを設置。ポテトサラダは工場で作ったものをそのまま店頭に並べる措置を取った。

 また、上伊那地方にスーパーなど12店を展開するニシザワ(伊那市)も同様の対応をとる。「パックも10円かかり経費は膨らむが、安心安全の提供は食品を扱う者の使命」と商品部の担当者。一方、量り売りを続けるイオンは県内全12店に、1時間ごとのトング交換殺菌を含めた安全対策の徹底を通知し、各店で取り組みを進める。県の衛生基準ではトングの交換頻度など細かいルールはないが、衛生管理を強化する会社が増え、調理器具店にはトングの需要が急増しているという。

 ただ、会社の多くから「ポテトサラダの売れ行きが悪い」「原因が判明しないと、確実な対策ができない」と嘆く声も聞かれる。飯田市で買い物中の主婦(72)も「菌が付いた原因が分からないと…」と心配そうな表情を浮かべ、購入を控えるようになったと打ち明けた。消費者の不安を取り除くことも容易ではなさそうだ。

 食中毒に詳しい飯田女子短大の友竹浩之教授は「自分は大丈夫、という過信が事故を招く。O157の感染は菌の量が少なくても起きる。オープンの場での量り売りはリスクがあり、パック詰めを勧める」と指摘。消費者に対して「リスクを知り、食品の加熱の徹底や生と焼けた肉では箸を使い分けるなどの自衛策が必要だ」と呼び掛ける。

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