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欧州心臓病学会で最優秀 青山琢磨医師(美濃加茂・木沢記念病院)

(2017年10月3日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する

抗がん剤による心不全防ぐ研究評価

画像最優秀賞の賞状を手にする青山医師(左)=美濃加茂市の木沢記念病院で

 木沢記念病院(美濃加茂市)循環器病センター長の青山琢磨医師(54)が、8月にスペイン・バルセロナで開かれた欧州心臓病学会で、心不全部門の最優秀賞を受賞した。抗がん剤によって誘発される心筋症や心不全を防ぐ糸口となる研究発表が評価された。(平井一敏)

 同学会は8月26〜30日にあり、世界150カ国から約3万2千人が参加。6500件の演題の中から選ばれた約400件が会場で発表され、心不全や不整脈など9つの部門ごとに最優秀賞が選ばれた。

 青山さんによると、乳がんなどの治療に使われる抗がん剤「ドキソルビシン」を投与すると、1年後に20%前後の確率で心不全になる。マウスで実験したところ、心筋細胞内に通常あるLOX−1というタンパク質をなくした個体は、抗がん剤を投与しても心筋細胞の炎症などが起きず、心不全にならないことが確認できたという。

 心不全は、体内の活性酸素が深く関係しているとみられている。青山さんは、活性酸素の発生に関わるとされるLOX−1に着目。岐阜大医学部付属病院病棟医長から現職に就いた3年前から、各務原市の横山ちはる医師らと協力して本格的に研究を進めてきた。

 抗がん剤による心不全の治療法は確立されていない。青山さんは「LOX−1の働きを止めることで、抗がん剤の重篤な副作用を防げるかもしれない。新薬などの研究が進み、今後のがん治療に役立てられたらうれしい」と話している。

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