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心エコーで最善策提案 四日市内科ハートクリニック 三原裕嗣さん

医人伝

(2017年10月3日) 【中日新聞】【朝刊】 この記事を印刷する

四日市内科ハートクリニック(三重県四日市市) 院長 三原裕嗣さん(40)

画像患者の体の向きや呼吸を調節しながら、心臓内の部屋がはっきり分かる画像を映し出した三原裕嗣さん

 心臓と血管の病気を扱う循環器内科の分野で心臓超音波検査(心エコー)を専門としている。心臓の壁などの形態や動きを画像に映し出して異常を発見したり、機能を評価したりするのが心エコーだ。「心臓は絶えず動いている。診断に必要な画像を的確に映し出すにはトレーニングしかない」。まるで職人の世界。画像を解釈するには病気全般への深い知識も必要だ。

 心臓病患者が受ける基本の検査だが、豊富な実績が買われ、総合病院や心臓病専門の医療機関などの「ハートチーム」と呼ばれる治療チームに加わる。循環器内科や心臓外科など複数の診療科の医師らが心臓病の治療に当たるチームで、治療方法の決定や手術後の評価に参画する。心エコーを専門とする医師が加わるケースは東海地方では少なく、複数の病院で若手医師や検査技師に指導している。

 高齢化に伴い、心臓の病気で増えているのが、血液の逆流を防ぐ弁に障害が起きる弁膜症。特に大動脈弁が硬くなり、うまく開かなくなる「大動脈弁狭窄(きょうさく)症」は国内患者数が100万人と推定される。太ももの血管などから細い管を入れて人工弁を運ぶ「経カテーテル大動脈弁留置術」(TAVI)が4年前に保険適用され急速に普及している。

 ハートチームが治療方針を決める際、決め手の一つとなるのが心エコーの画像。弁の見た目や血流の速度だけでなく、脱水や貧血などの症状や年齢も勘案。手術に傾きかけた流れを止めたことが何度もある。「医師も人間。自分の専門の治療で何とかしたいと考えがち。第三者的な立場から、患者にとって最善の治療を考えられるのが心エコー医」と訴える。

 言葉は自身の経験に裏打ちされている。名古屋大医学部を卒業後、救急医を志望して上京。時間との勝負の現場で「心エコーは情報量が多い」と気付き、心臓外科手術数が国内で最も多い病院に移り指導を受けた。米国でも治療と研究に携わり、検査した症例は数万件にのぼる。

 狭心症の手術を受けた患者を退院できると判断した後、画像を見た上司から「まだ帰すな」と指摘され、家族に電話で説明し直したことも。「医師として非常に恥ずかしい経験だったが、糧となった」

 地域医療に貢献するため5日に開業する。「この分野の医師はまだまだ少ない。後進の指導も続けたい」(小中寿美)

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