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患者を尊重 認知症介護記 岐阜の敷島さん連載 遺族が冊子に

(2017年9月30日) 【中日新聞】【朝刊】【岐阜】 この記事を印刷する
画像敷島妙子さんが書いた連載記事を小冊子にまとめたはるみさん=岐阜市で

 高齢化の進展で身近になった認知症。かつて差別的な見方で「痴呆(ちほう)症」と呼ばれた時代に、患者の尊厳を重視して介護に励む女性が岐阜市にいた。その経験が今に役立てばと、当時書き残していた連載記事を、遺族が小冊子にまとめた。(近藤統義)

 女性は、2年前に93歳で死去した敷島妙子さん。50代のころ、認知症の義父を岐阜市の自宅に引き取り、亡くなるまでの約2年間介護した。

 その様子を日記に付けていた敷島さんは、1978(昭和53)年に著書を刊行した。「自尊心を尊重した対応をすれば笑顔が戻り、症状も軽くできる」と書き、各地から講演依頼を受けるほど反響を呼んだ。

 冊子になったのは、全国組織「認知症の人と家族の会」の機関誌で89年に連載した記事。次女のはるみさん(67)が遺品整理で原稿を偶然見つけ、自費出版を思い立った。

 タイトルは「こころのケア」。患者のできないことが増えて絶望する多くの介護者に対し、敷島さんはできることを見つける喜びを説く。人間らしい感情は残るとし、認知症の問題は「心より物が大切にされがちな現代社会への警鐘かもしれない」と結んでいる。

 冊子は家族の会の各地の支部に送ったほか、県内の地域包括支援センターで無料で配布する予定。はるみさんは「急に家庭介護の当事者となり戸惑う人もいる。母の体験から患者本人の気持ちを知ってほしい」と話す。(問)はるみさん=058(232)8316

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