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都立小児病院 残業代未払い 医師ら130人、1億2000万円

(2017年10月8日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

 国内最大級の小児病院、東京都立小児総合医療センター(東京都府中市)が、医師らの夜間や休日の勤務に適切な賃金を支払っていなかったことがセンターへの取材で分かった。センターは昨年3月、立川労働基準監督署から是正勧告を受け、今年6月までに未払い残業代計約1億2千万円の全額を支払った。

 未払いだったのは約80人の医師を含む職員計約130人に対する2014年3月から2年間の残業代。

 全国各地の病院でも同様の問題が潜んでいる可能性がある。電通やNHKで過労自殺、過労死が問題となり、政府も「働き方改革」を推進するが、医師への適用は5年猶予する方針で、医療現場の長時間労働対策の加速が求められそうだ。

 厚生労働省は病院での夜間や休日の労働に対し、業務が検温など負担の少ない範囲にとどまり十分な睡眠が取れる場合のみ、時間外労働の割増賃金より安い「宿日直手当」で済ませることを認めている。

 センターは、午後5時15分から翌朝8時半までの夜間や休日の勤務に宿日直手当を適用。救急治療など実際の業務があった時間だけは割増賃金を支払ってきた。

 しかし労基署は、センターの夜間や休日の勤務は負担が少ないとはいえず通常と同様の労働に相当すると判断、待機時間も含め時間外労働として割増賃金を支払うよう求めた。センターによると、医師の夜間勤務は月平均で4〜5回。救急患者は日中を含め1日平均約10人が来院するという。

 センターは病床561床で、常勤医師は約130人。「厳しい捉え方だが、労基法違反を真摯(しんし)に受け止める。医療の質を落とすことなく、労基署と相談しながら労務上の問題解決に努める」としている。

 働き方改革と医師 政府は残業時間に上限を設け罰則もある「働き方改革実行計画」を3月につくったが、医師は正当な理由なしに診療を拒めない医師法上の義務があり、調整のため適用は5年間猶予された。このため厚生労働省は8月から医師の「働き方改革」に関する検討会を開始、2019年をめどに報告書をとりまとめる予定で、医師の夜間、休日勤務についても検討するよう委員から意見が出ている。

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